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保育士を数年で退職|待遇は悪くないのに女社会の人間関係と安月給で辞めた話

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幼いころに通った保育園の先生が、可愛くて、優しくて、キラキラ輝いて見えた。

「将来、私もあんな先生になりたい」。

その憧れを、私は数年後に本当に叶えました。

でも、夢だったはずの保育士を、数年で辞めることになったんです。

理由はひとつじゃありません。女社会の人間関係、保護者との理不尽なやり取り、そして給料の安さ。少しずつ積み重なって、結婚を機に「もう戻らなくていい」と思いました。

保育士という仕事のリアルを、いいところも含めて正直に書きます。これから目指す人にも、いま辞めたいと悩んでいる人にも、何か届けばと思います。

📌 体験者プロフィール

性別:女性

業界・職種:私立幼稚園の保育士

雇用形態:正社員

勤務地:地方(田舎)

在籍期間:数年

退職状況:退職済み(結婚・出産を機に退職、現在は専業主婦)

体験形態:実体験ベース

※プライバシー保護のため、個人が特定されない範囲で仮名化・一部詳細を変更しています。

実習で気づいた「キラキラ」の嘘

最初に違和感を覚えたのは、まだ正式に働き始める前、実習中のことでした。

仕事そのものがきついのは、最初から覚悟していました。保育士は体力勝負だし、子どもから一瞬も目を離せない。精神的に疲れるのも、やる前から想像はついていたんです。

でも、私を本気で消耗させたのは、仕事の中身じゃありませんでした。先輩保育士たちとの時間です。

幼いころに憧れた、あの可愛くて優しい先生たち。あの人たちは、本当に優しかったんでしょうか。

影では同じように悩んでいたのかもしれない。あるいは、私が勝手に作り上げた幻だったのかもしれない。実習中の私は、そんなことを真剣に考えていました。

指導の仕方は、ただ一言「キツイ」。社会がそんなに甘くないことくらい、わかっています。でも、ミスをしたりトロかったりすると、先輩たちが陰で——いえ、半分は堂々と——私の悪口を言うんです。声が聞こえてくる距離で、わざと聞こえるように。

実習先のA幼稚園では、毎年5人くらい新人を採っても、1年後に残るのは1人だけだと聞きました。

それを聞いた瞬間、「そりゃそうだよな」と妙に納得している自分がいました。

女の園で生き抜くということ

実際に働き始めても、状況は変わりませんでした。先輩たちのキツさは相変わらずで、毎日の出勤が憂鬱で。

保育士の職場は、ほぼ100%が女性です。女、女、女。男性保育士もいるにはいるけど、ごく少数。基本はみんな女性でした。

そして女社会って、本当に独特の空気があるんです。表面上は穏やかでも、裏では誰かの悪口、誰かの評価、誰かの噂話。誰と仲がいいか、誰と仲が悪いかで派閥ができていて、新人はその力学を読み間違えると、あっという間に標的になります。

私もよく、何が地雷だったのかわからないまま、気づいたら陰口の的になっていました。

それでも続けられたのは、同期の存在が大きかったと思います。同じ年に入った数人だけは本当に仲がよくて、休憩や仕事終わりに愚痴を言い合えたのが救いでした。

関連記事:保育園の管理栄養士6年で限界|保育士に下に見られた給料格差と人間関係の闇

子供たちと保護者からの「ご褒美」

辛い日々のなかで、私を癒してくれたのは、いつだって子どもたちでした。

「先生が一番大好き」「先生、可愛い」「先生と将来結婚する」

この3つは、私の嬉しかった言葉ランキングで、間違いなくトップ3です。家でわざわざお手紙を書いて持ってきてくれる子もいました。

子どもって、本当にピュアで、愛しい。あの小さな手で書かれた拙いお手紙を見ると、どれだけ疲れていても報われた気持ちになりました。

保護者の方からも、たまに嬉しい言葉をもらえることがありました。

「うちの子、〇〇先生のことが一番好きなんですよ」

そう言ってもらえたとき、その日一日が辛くても全部チャラになるくらい嬉しくて。涙が出そうになるのを我慢したこともありました。

待遇は意外と悪くなかった、でも限界だった

世間では「保育士はブラック」というイメージが強いですよね。確かにきつい仕事だし、給料も安いと言われがちです。

でも、私が働いていたA幼稚園に関して言えば、待遇そのものは決して悪くありませんでした。

ボーナスも、多くはないけどきちんと出る。有給も取れました。社員旅行は毎年あって、しかも海外。私の周りで海外旅行に行く保育士なんて珍しかったので、都会では当たり前なのかもしれないけど、田舎の私たちには年に一度の大きな楽しみでした。

3時のおやつタイムも好きな時間でした。順番に休憩を取る形で、普段は怖い先輩と少しだけ砕けた会話ができる時間でもあって。ほんの数分だけど、心が緩む瞬間だったんです。

それでも、辞めました。

待遇が悪くなくても、人間関係と「大変さに見合わない給料」という根っこが変わらないかぎり、続けるのは難しかった。

モンスターペアレントとの戦い

保育士をやっていて、避けて通れないのが保護者とのトラブルです。

一番堪えるのは、子どもに怪我をさせてしまったときの対応。これはもう、こちらもとても心苦しい。大切なお子さんを預かっていて、その子に痛い思いをさせてしまったのだから、自己嫌悪に陥るのは当然です。保護者の怒りも、当然のことだと思います。

でも、それとはまったく別の、理不尽なクレームを受けることもありました。

一番びっくりしたのは、遠足のスナップ写真の話です。

行事で撮った写真を後日販売するシステムだったんですが、ある保護者から「うちの子が全然写っていない」「写っている枚数が少ない」とクレームが入りました。

最初は冗談かと思いました。でも、本気で怒っていらっしゃる。しかもこれが珍しいことじゃなくて、毎年必ず同じようなクレームをつける親が出てくるんです。

そういうとき、こちら側もほとんどが母親なので、女と女のぶつかり合いになります。大きな声で怒鳴られることもしょっちゅうで、いちいち気にしていたら精神が持ちませんでした。

保育士に向いているのは「優しすぎない人」

実際にやってみて思ったのは、この仕事に向いているのは「優しすぎない人」だということです。

繊細すぎる人は、たぶんやっていけません。女性ばかりの職場に飛び込んでいくわけで、女社会はなかなか一筋縄ではいかない。保護者対応も含めて、ある程度強気でいないと潰されてしまいます。看護師さんや介護士さんにも、似たところがあるんじゃないかと勝手に思っています。

あとは、子育て経験のある人も向いているかもしれません。一度自分で子どもを育てた経験があると、保護者の気持ちにも共感できるし、いざというときの対応にも余裕が出るからです。

関連記事:幼稚園と保育園、両方勤めてわかった違い|給料・上下関係・働きやすさ徹底比較

結局、辞めて思うこと

総合的に振り返って、私が出した結論はシンプルです。

大変さの割に、給料が見合わない。これに尽きます。

保育士という仕事は、お金の面だけで考えると、やっぱり低すぎる。やりがいを求められる人、子どもが好きで人間関係も乗り越えられる強さがある人には、続けられる仕事だと思います。

でも、私は「子どもが好き」という気持ちだけでは耐えられませんでした。結婚・出産を機に退職して、今は専業主婦として自分の子どもを育てています。

不思議なもので、自分が母親になってみると、保護者側の気持ちも少しわかるようになりました。あんなに理不尽だと感じていたクレームも、その親なりの理由があったのかもしれない。そう思えるようになったんです。

子育てが落ち着いたら、また保育士に復帰するのもいいかもしれない。最近は、ぼんやりそんなことも考えています。

ただ、復帰するためにも、保育士の賃金がもう少し上がってくれることを心から願っています。仕事の大変さに、待遇が追いついてくれる日が来るといい。元保育士として、今もそう思っています。

関連記事:認可外保育園で子連れ勤務1年9ヶ月|パート保育士の責任の重さで限界きた話

保育士を続けるのがつらいと感じている人へ

待遇は悪くなかったのに辞めた——決め手は「大変さの割に給料が見合わない」ことで、保育士の給料が上がりにくいのは、認可保育の運営費が公的に決まっていて園が自分の判断で引き上げられないからです。

そこに女性比率の高い人間関係や、写真一枚にまで及ぶ保護者対応が重なれば、現場が頑張っても報われにくく、憧れて入った人ほど消耗していきます。

それでも、一度離れて学童保育や子育て支援センターなど別の形で子どもに関わる人も多くいます。つらいなら一人で抱え込まず、下記の窓口を覗いてみてください。

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そのほか、状況に合わせて選べる窓口を挙げておきます。

・職場の人間関係に気を遣わず、できるだけ穏やかに辞めたい方は、弁護士による退職代行という選択肢も(引き止めや連絡対応も代わりに引き受けてもらえます)
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公的な窓口としては、総合労働相談コーナー(厚生労働省)や、よりそいホットライン(0120-279-338)が無料で相談に乗ってくれます。

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