「辞めさせたくなかったのは、付き合ってほしかったから」
店を閉める作業をしていた深夜、二人きりの店内でそう言われた瞬間、一気に血の気が引きました。
これは、大好きな漫画とゲームに囲まれて働けると信じて飛び込んだ憧れのバイト先が、実はブラックな職場だったという話です。
📌 体験者プロフィール
・年代・性別:20代女性(体験当時18歳〜20歳)
・業界・職種:中古本・ゲーム・CD・DVDなどの買取販売店(接客・買取対応)
・雇用形態:アルバイト
・在籍期間:約3年(高校3年〜大学3年)
・当時の立場:学生アルバイト
・退職状況:退職済み
・体験形態:実体験ベース
・体験時期:2007年頃
※プライバシー保護のため、個人が特定されない範囲で仮名化・一部詳細を変更しています。
大好きな漫画とゲームに囲まれて働けると思っていた
高校3年生の頃、進学する大学も決まっていた私は、バイト探しに夢中でした。
18歳になると、応募できる職種の幅もぐっと広がって、求人票を眺めているだけでわくわくしていました。
そこで選んだのが、漫画やゲームが好きだったことから、中古本やゲームの買取をやっているお店のバイト。面接に行くと、その場で採用されました。
大好きな漫画とゲームに囲まれながら働ける。そう思うと楽しみで仕方なくて、初出勤の日が待ち遠しかったんです。
でも、わくわくしていられたのは最初だけでした。ここから、過酷なバイト生活が始まってしまったのです。
「店長もバイトも同じ責任」で始まった過酷な日々
「店長もバイトも関係なく、同じ責任で働いてもらうから」
店長からそう告げられたときは、責任を持って仕事をしなくちゃいけないんだな、くらいにしか思っていませんでした。
でも、実際はそんな単純な話ではなかったんです。
陰湿なクレーマーの対応もバイトがやる。店長がいない時間帯は、店長以外はバイトしかいないので、トラブルが起きてもバイトだけで解決する。時給に、まったく見合っていない責任を背負わされていました。
一度、怒鳴り上げるようなクレームをしてきたお客さんがいたときも、対応していたのはバイトの先輩でした。その姿を、ただ見ているだけでも辛かったのを覚えています。
時給と仕事内容があまりに不釣り合いで、このお店の運営そのものに、だんだん疑問を感じるようになっていきました。
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新しい店長が来て、バイトが楽しくなった
そんなとき、店長が代わることになりました。
新しく来た店長は、コミュニケーション能力が高くて、バイトの話をよく聞いてくれる人でした。
前の店長と違って、仕事以外のことでも気軽に話ができる。そのおかげで、バイト先に通うのが楽しくなっていったんです。
このお店、悪くないかもしれない。そう思えるようになって、結局、大学2年まで続けることができました。
就活を理由に辞めたいと言ったら、態度が豹変した
大学3年になる頃、就職活動も始まるので、仕方なくバイトを辞めようと店長に告げました。
すると、それまで普通に接してくれていた店長の態度が、急に変わったんです。
「就職活動はまだやらなくていいし、そんなの辞める理由にならない」
そう言われて、辞めさせてもらえませんでした。私の人生なのに、どうして店長にそんなことを言われなきゃいけないのか、理解に苦しみました。
シフトの量も減らしてもらえない。仕方なく、そのまま勤め続けることになりました。
「きっと4年生になったら辞めさせてくれる」。そう信じて、とりあえず頑張っていました。
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深夜の店閉め作業で、店長が口にした本音
そんなある日のことでした。
深夜、店を閉める作業をしているとき、店長がぽつりと言ったんです。
「バイトを辞めさせたくなかったのは、付き合ってほしかったから」
店長に好意なんて、何も抱いていません。むしろ気持ち悪すぎて、一気に血の気が引きました。
そんな自己中心的な理由で、私の人生にまで口を出していたのか。そう思うと、もうこの人の顔も見たくなくて、逃げるように家に帰りました。
そういえば、店長と二人きりになるシフトが、やたらと多かった。あとから気づいて、気持ち悪さがさらに増したのを、今でも覚えています。
同性の先輩に電話して、逃げ出した日
次の日、私は思うように体が動きませんでした。身だしなみを整えることも難しいくらい、力が入らなかったんです。
それでも、思い切ってバイト先の同性の先輩に電話をかけました。
先輩には、すべてを打ち明けました。
「もう今日は出勤しなくていいよ。シフトは調整するから」
そう言ってくれたおかげで、その日はなんとか店長に会わずに済みました。
「辞めます」と伝えて、やっとスッキリした
でも、このままではうやむやになってしまう。
思い切って、店長に話す機会をつくってもらうよう連絡しました。
実際に店長と会ったときは、吐きそうなくらい気持ち悪くなっていました。それでも、
「辞めます」
そう伝えたら、ようやくスッキリしました。
憧れだけでバイトを選んではいけないと学んだこと
今振り返れば、あれは完全にハラスメントでした。
しかも、二人きりのときにこういう発言をするというのは、よくある話なんだと思います。録音して記録を取るなど、客観的な根拠を残す勇気が必要だったな、と学びました。
結局、前後二人の店長のどちらも、対応に問題のあるお店でした。大好きな漫画とゲームに囲まれて働けると夢を膨らませていたのに、完全に裏切られた形です。
そして、仕事内容だけでバイト先を選んではいけないな、と反省しました。業界のことを調べるなどして、ブラックバイトに引っかからないようにすることも大切だと感じています。
とはいっても、実際に入ってみないと、どんな人間が働いているのかは分かりません。だからこそ、「この職場やばいな」と思った時点で辞めてしまうことも、必要なんだと思います。
憧れて入ったバイトが、辞めさせてくれない場所になった人へ
このお店で店長がしていたのは、雇う側という立場に個人的な好意まで持ち込んで、辞める・辞めないという人生の選択にまで踏み込んでくる、という二重の圧でした。
立場の弱い学生アルバイトほど声を上げにくくなりますが、就職や進学を理由にバイトを辞めるのは、誰に遠慮する必要もない当然のことです。
一人で抱えきれないと感じたら、同性の先輩や第三者、公的な窓口に早めに打ち明けてください(二人きりでの発言は記録が残りにくいので、可能ならメモや録音を残しておくと、あとで自分を守る材料になります)。
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