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1000円カットの美容室をパートで辞めた|時給833円、流れ作業でこなす低価格サロンの現実

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技術職なのに、時給はそのへんのアルバイトより安い。

国家資格を取って、ハサミを握って、何人ものお客さんの髪を切ってきて。それでこの金額なんだ、って、給料明細を見るたびに思っていました。

これは、いわゆる1000円カットみたいな低価格の美容室で、パートの美容師として4年8ヶ月働いて辞めた私の話です。

📌 体験者プロフィール

性別:女性

業界・職種:低価格帯の美容室(カット専門サロン)/美容師・スタイリスト

雇用形態:パート

在籍期間:4年8ヶ月(2019年〜)

当時の時給:入社時833円 → 退職時965円

退職状況:退職済み

体験形態:実体験ベース

※プライバシー保護のため、個人が特定されない範囲で仮名化・一部詳細を変更しています。

1000円カットみたいな、低価格のお店でした

私が働いていたのは、1000円カットのような低価格帯の美容室です。

だから、できる施術はけっこう限られていました。メニューはカット、白髪染め、パーマの3種類だけ。

予約制ではありません。ご来店いただいた順番に受付をして、整理券が発券される。番号順に呼んで、順番に入客していく。

まさに流れ作業のように、数をこなしてなんぼ。そういう仕事の仕方でした。

たぶん、ふつうの美容室を想像して来た人は、ちょっと驚くと思います。ゆっくりカウンセリングして、雑誌でも見ながら、みたいな空気はほとんどないので。

カットだけ担当して、あとは全部アシスタントに丸投げ

私はスタイリストとして入客していたので、1日中、ほぼカットだけを担当していました。

カラーもシャンプーも仕上げも、アシスタントの子に丸投げ。私が切って、あとはお願いね、という感じです。

これ、私が冷たいとかそういう話ではなくて、会社のマニュアル的にも完全分業が推奨されていました。

一人が最初から最後まで担当するより、切る人は切る、洗う人は洗う、で回したほうが数をさばける。低価格でやっていくって、そういうことなんだと思います。

最初は「え、そこまで割り切るの」と少し戸惑いました。でも慣れると、これはこれで効率的なんですよね。

スピードは、確かに伸びました。でも「規定時間内」が絶対だった

いいところを先に書いておくと、技術スピードは大いに成長できました。

とにかく速さを求められるので、そこは鍛えられます。カットのスピードだけで言えば、この4年8ヶ月でかなり上がったと思います。

ただ、問題はここから。個々のスピードの限界というものは、まったく加味してもらえませんでした。会社の規定通りの時間内で施術するのが絶対だったんです。

お客様によっては、毛量がすごく多かったり、扱いづらい髪質だったりする。多少時間がかかるのは仕方ないよね、というのは、現場のスタッフ同士なら意思疎通ができます。

でも、店長やマネージャーといった管理職より上の人には、そんなことは関係ないみたいでした。

数をこなさないと売り上げが上がらない。だから数字だけを見て判断され、査定される。目の前のお客さんの髪質なんて、上の人の資料には出てこないんですよね。

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すべては、POSレジで管理されていました

勤怠も、施術時間も、お客様のお待たせ時間も、全部がPOSレジで管理されていました。

良い面もあります。開店時間はきっちり守られるし、誰がどの施術を担当したかを細かく入力できるので、スタッフ間で按分がきっちりできる。そこは、けっこうフェアだなと思っていました。

でも、なんだかなぁと思う部分もたくさんありました。

開店準備のために早めに出勤しても、開店時間の15分前にならないと出勤扱いにならない。閉店後の掃除や片付けは、勤務時間に含まれない。休憩を取っていようが取っていまいが、きっちり勤務時間から引かれる。

本部の人たちは、いつも数字を見ています。

だったら、総客数とスタッフ数と施術内容を見れば、「これ、休憩なんて取れるはずのないスケジュールで動いてたよね」って想像がつくんじゃないの、と思っていました。

でも、そこについて突っ込まれたことは、一度もありませんでした。数字は見るけど、その数字の裏側までは見ない。そういうことなんだと思います。

低価格サロンに向いている人、向いていない人

4年8ヶ月やってみて、この働き方に向き不向きがはっきりあるな、と感じました。

スピードを磨きたい人は、一度経験するとぐっと伸びると思います。数をこなす環境って、それだけで技術が上がるので。

逆に、技術に対して強いこだわりがある人は、しんどいかもしれません。どうしても施術時間が伸びてしまうから。

「この価格なら、ここまで」と割り切れる方が、たぶん楽なんですよね。自分の技術のいいところを、価格と時間に合わせて出せる人でないと、続かないと思います。

これは良い悪いではなくて、単純に合う合わないの話です。

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人間関係は、思ったより風通しがよかった

意外に思われるかもしれませんが、人間関係はけっこう良かったです。

どこの美容室にもある、あの独特な上下関係が、ある種、希薄でした。

役職がついているスタッフはまた別ですが、アルバイトやパートのスタッフが多かったので、先輩ヅラする人も少ないし、後輩だからといって雑用を全部やらなきゃ、みたいなこともない。

できるスタッフが、できることを、できる時にやる。そうしないと営業が回らないので、自然とそういう流れで仕事をしていました。

あと、小さい子どもがいて美容師に復帰しているパートのスタッフも多かったんです。短時間だったり、急に欠勤になったりがあるので、威張っている場合じゃない、とみんな思っていた印象です。

特にインフルエンザとかが流行る時期は、子どもが順番にかかって…なんて日常茶飯事なので。みなさん、お互い様の精神があったと思います。

「通勤3時間は常識」と言われた世界

これはパートの私ではなく、正社員のスタッフの話なんですが。

正社員は、広範囲のエリア内のあちこちに出勤しないといけない場合があって、大変そうでした。

エリアマネージャーからすれば、通勤3時間は常識の範囲内なんだそうです。

いや、田舎の3時間と都会の3時間はちょっと違うのでは、と思いましたが、そんなことは口が裂けても言えません。

しかも、お気に入りのスタッフだけは高速利用OK、出張扱いでホテル宿泊OKになっていたような印象もあって。その辺りも、なんだかなぁと思っていました。

通勤距離で一律に宿泊OKにすればいいのに、と、今でも思います。

低価格サロンで働く美容師さんへ

同じ美容師でも、低価格サロンは「速さ」だけが評価軸になりやすい世界です。目の前のお客さんの髪質やコンディションではなく、こなした数だけが数字として上に伝わる。技術職なのに時給がアルバイト以下、という違和感の正体は、たぶんこの構造にあります。

割り切って速さを磨く場所として使うのか、それとも自分の技術を丁寧に出せる場所を探すのか。その線引きさえ自分の中で決まっていれば、この働き方はけっして悪いものではないと思います。

困った時の選択肢

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辞める・辞めないの前に、「自分はこの先どんな働き方をしたいのか」を一度ことばにしてみるだけでも、頭の中がずいぶん整理されます。

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そのほか、状況に合わせて選べる窓口を挙げておきます。

・今の時給が自分の技術に見合っているのか気になる方は、まず適正年収を知るところから

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公的な窓口としては、総合労働相談コーナー(厚生労働省)が、休憩や労働時間の扱いについて無料で相談に乗ってくれます。気持ちが限界に近いときは、よりそいホットライン(0120-279-338)も24時間つながります。

働き方そのものを見つめ直したくなったら、本の力を借りるのもひとつの方法です。美容師としての立ち方や、これからの働き方のヒントを、まず無料で探してみることもできます。

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一日中立ちっぱなしで数をこなすと、夕方には足が重くなってきます。同じように立ち仕事を続けている人が、着圧ソックスで脚のむくみを逃がしていることもあるようです。

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