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美容師1年目で見た夢の代償|月16万・睡眠3時間の下積み地獄を8年続けた女性の体験談

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私の美容師1年目は、月給16万円、ボーナス3万円、睡眠時間3時間。

お客様の髪を1人で任せてもらえるまで、1年かかった。

それでも今、私はこの仕事を8年続けている。

これは21歳で夢を叶えた直後に、私が見た現実の話です。

📌 体験者プロフィール

年代・性別:20代女性(体験当時21歳〜29歳)

業界・職種:美容師(美容室)

雇用形態:正社員

在籍期間:1社目4年→同業転職して継続中(合計8年)

当時の立場・役職:アシスタント1年→スタイリスト

退職状況:1社目退職済み(スキルアップで同業転職)

体験形態:実体験ベース

※プライバシー保護のため、個人が特定されない範囲で仮名化・一部詳細を変更しています。

祖母への憧れから始まった美容師の道

私が美容師を目指したきっかけは、祖母の存在でした。

祖母は美容師として働いていて、子供の頃から強い興味を惹かれていました。手先を動かしながらお客様と楽しそうに話している姿が、私の中の「働く女性」の原風景だったと思います。

高校を卒業すると専門学校に進学し、自宅でもマネキンにかつらを被せて練習を重ねるほど熱中していました。専門学校の卒業と国家試験への合格を経て、晴れて美容師としてデビューできたのが21歳。

資格を取った瞬間の達成感は、今でも忘れられません。「ここから私の夢が始まるんだ」と、期待で胸がいっぱいでした。

国家試験に合格しても、最初は雑用と補助の毎日

ところが、いざ働き始めてみると、私が任された仕事は雑用と補助ばかりでした。

美容師の資格を持っていても、経験が浅い間はお客様の髪を任せてもらえないのが業界の常識。シャンプー、タオル折り、薬剤の準備、先輩のアシスタント。

早くハサミを持ちたいという気持ちを抑えながら、先輩の手元を見て技術を盗む日々が続きました。夢に向かって動き出したはずなのに、自分の手で誰かを綺麗にできない時間が、想像以上に長く感じられたのを覚えています。

月給16万・ボーナス3万・睡眠3時間の下積み地獄

美容師として一番辛かったのは、勤務時間の長さでした。

開店の2時間前には出社して、作業の準備に取り掛かる。閉店した後も片付けを終わらせてから、ようやく「学びの時間」が始まります。

美容の世界は日々進化していて、新しい髪型の研究や自分のスタイリングの練習を毎日欠かせません。気がつくと帰路につくのは深夜2時を過ぎていることが当たり前で、睡眠時間は平均3時間ほどでした。

休憩中も食事をしながらスタイリングの勉強やイメージトレーニング。夢の中にまで仕事が出てくる始末で、起きている時も寝ている時もずっとハサミを握っているような感覚でした。

これだけの思いをして得られる給料は、月16万円。初年度のボーナスは3万円。

最初のうちは情熱で全てカバーできていましたが、ストレスと疲労は確実に身体に溜まっていきました。お客様の髪を預かるという責任感のある仕事なのに、なかなか1人で任せてもらえないもどかしさも重なる。

美容師として1人立ちできるまで、私はおよそ1年間、この下積みの日々を過ごしました。

お客様に1人で着いた日、涙が出るほど嬉しかった

1年の修行の後、ようやく1人でお客様を担当できる日がやってきました。

1人目のお客様の前に立った時には、涙が出るほど嬉しかったのを今でも覚えています。お客様の好みの髪型をイメージし、その通りに手を動かしていく。頭の中で完成図がクリアに描けて、手も軽やかに動きました。

1人目のお客様から「ありがとう」と言っていただけて、自分の成長を確かに感じることができました。睡眠時間を削って続けてきた努力が、報われた瞬間でした。

お客様に喜んでもらえる。これは美容師をしていて、何より嬉しかったことです。

美容師に必要なのは情熱と負けず嫌い

美容師は1人前として認められるまで、努力し続けなければいけません。難しい国家資格に合格した後にこそ、学びと経験を積み重ねる必要がある仕事だからです。

私は美容師として働いてよかったと思っていますが、何より必要なのはパッションだと思います。「好きこそ物の上手なれ」と言いますが、好きなことだからこそ辛い時期を乗り越えられる。

そして私は、先輩の仕事を見ながら常に「ライバル」だと思っていました。いつか先輩たちを出し抜いてやろう、そんな負けず嫌いの気持ちを抱えながら過ごしていたのです。

情熱と負けず嫌い。この二つがない人には、美容師という仕事はおそらく続かないと思います。

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4年でスキルアップ転職、見えてきたコミュニケーションの重要性

同じサロンで4年働いたタイミングで、私は転職を考えるようになりました。

経験を積んで、ほとんどの仕事を1人でこなせるようになった頃でした。新しいステージに挑戦したい。私に色々教えてくれた先輩たちが、次々と転職していったこともきっかけの一つです。

転職前は手取り月収21万円、年収400万円ほどで、待遇に大きな不満があったわけではありません。ただ一度「転職」という選択肢が頭をよぎると、それは脳裏にチラつくようになってしまったのです。

現場で気づいたのは、美容師に必要なのは技術力だけではないということ。

お客様と向き合う時間が長いこの仕事では、コミュニケーション能力が技術と同じくらい大切でした。世間話の話題、最近のオシャレのトレンド、男女に刺さる流行。私は毎日のニュースをチェックし、お客様と楽しい時間を作ろうと努力しました。

ただし、お客様の中には話しかけられたくない方もいます。初見のお客様には、まず様子を見ることも大切な技術の一つでした。

一緒に働く従業員との関係作りも、現場では生命線になります。忙しい時に助け合えるかどうかは、普段の関係性次第。美容師という仕事において、人間関係は技術と同じくらい重要な要素だったのです。

8年経った今、美容師を目指してよかったと思う理由

私は美容師の仕事を始めて、もう8年になります。

振り返ると、辛かったことは数え切れません。睡眠3時間の下積み、月16万円の生活、なかなか1人立ちさせてもらえなかったもどかしさ。美容師は、正直ブラックな一面が多い仕事です。生半端な気持ちだと続かない、というのは本当だと思います。

それでも今、「目指してよかった」と思えるのは、お客様に喜んでもらえる瞬間と、自分が確かに上手くなっていると感じられる瞬間が、ちゃんとあるからです。この仕事のそういう部分を本気で大事に思えるかどうかで、辛い時期を越えられるかが分かれる気がします。逆に、そこにピンと来ない人には、たぶん相当きつい。

私がこの道を選んでよかったかどうかは、結局は自分の心が決めること。今のところ私は、あのとき専門学校に進んだ自分の選択を、間違っていなかったと思っています。

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編集部より

この体験談の芯は、月16万・睡眠3時間という下積みそのものより、書き手がそれを「夢のための投資期間」として受け止められた点にあります。美容師の最初の1年は、国家資格を取った後でさえハサミを握らせてもらえない——技術と引き換えに、時間と賃金を先払いする構造になっています。同じ環境でも、その先払いを納得して払える人と、搾取としか感じられない人とで、続くかどうかがはっきり分かれます。辛さの量ではなく、その意味づけができるかが分水嶺なのだと、この記事は教えてくれます。

だからもし今、下積みの辛さの「意味」が自分の中で揺らいでいるなら、それは根性が足りないのではなく、一度立ち止まって考えるサインなのかもしれません。続けるにせよ離れるにせよ、その問いそのものは大切にしていいものです。

困った時の選択肢

【美容師を続けるか、働き方を整理したい方へ】

「この辛さは投資なのか、それとも消耗なのか」——その問いは、一人で抱えると答えが出にくいものです。転職を前提にせず、今の仕事を続ける道も含めて、自分のキャリアを言葉にして整理したい20〜30代の方には、キャリアコーチングという選択肢があります。

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