仮眠は深夜2時から5時まで。実働18時間の、24時間勤務でした。
体を壊す同僚も多く、私自身も不眠症になりました。それでも、私はこの園で働く時間が好きでした。
そして数年後、私はこの園を辞めて海外へ渡ります。嫌になったからではありません。むしろ、好きだったからこそ次のステップに進みたくなったのです。今日は、そんな少し変わった保育士生活の話を書きます。
📌 体験者プロフィール
・業界・職種:認可外保育園の保育士(実働18時間・24時間勤務の特殊な勤務形態)
・在籍期間:長年(複数年)
・退職状況:退職済み(海外の保育士学校へ進学のため)
・体験形態:実体験ベース
※プライバシー保護のため、個人が特定されない範囲で仮名化・一部詳細を変更しています。
実働18時間・24時間勤務という、特殊な保育園で働いていました
私が勤めていたのは、認可外の保育園でした。
勤務形態がとても特殊で、実働18時間の24時間勤務という園です。文字にするとぎょっとされますし、実際に本当に大変な働き方でした。
ただ、振り返ってみると、この特殊な形態だからこそ取り組めたことがたくさんありました。認可の園では持ち帰りの仕事になってしまうような作業や、やりたいけれど時間がなくてできない設定保育にも、しっかり手をかけられたのです。
園児と過ごす時間がたっぷりあって、時間にも余裕がある。だから、自分がしたい保育を余すことなくやり切ることができました。
保護者対応の面でも、この勤務形態は強みになりました。朝から晩まで同じ職員がそばにいるので、たとえば子どもが少しケガをしたときも、朝一番に起こった出来事を、一番近くで保育していた職員がそのまま保護者に説明できます。
伝言ゲームにならず、状況をきちんと伝えられる。そういう積み重ねがあったからか、月極で利用されている保護者の方とは、よく耳にするモンスターペアレント的なトラブルもほとんどありませんでした。
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仮眠は2時から5時まで。不規則な生活で、私は不眠症になりました
どれだけ楽しくて時間に余裕があると言っても、一日の流れはある程度決まっています。だから、思い通りに進められない日ももちろんありました。
そして何より、24時間勤務というのは身体への負担が大きい働き方でした。仮眠は深夜2時から5時までと短く、それで体を壊してしまう職員も少なくありませんでした。
夜勤の勤務もあって、生活のリズムは本当に不規則でした。その結果、私自身も不眠症になってしまいました。今でも、ふとした時に症状に悩まされることがあります。
楽しかった思い出と、体に残った負担。この両方が、私の保育士生活には確かにありました。きれいごとだけでは語れない部分です。
それでも長く続けられた一番の理由は、園児が可愛くて仕方なかったから
それでも私が長年この仕事を続けられたのは、やはり園児たちが可愛くて仕方なかったからだと思います。
私は昔から子どもが本当に大好きで、よく懐かれることも多かったのですが、それでも実際に勤務してみて自分でも驚いたことがあります。
「自分はこんなにも、子どもたちと過ごす時間を幸せだと感じるんだ」
頭で「子どもが好き」と思っているのと、毎日一緒に過ごして心からそう実感するのとは、まったく別ものでした。この実感が、しんどい勤務形態を支えてくれていたのだと思います。
園長も同僚も自由で、人間関係に恵まれていました
働きやすさを語るうえで、人間関係の話は外せません。
認可外の園で決まりごとが少なかったこともあり、保育士のやりたいことをやらせてくれる職場でした。そのぶん、職員のストレスも少なかったように思います。
園長をはじめ、年長の職員が頭の柔らかい人ばかりで、とにかく自由度が高い。職員同士の関係性もとても良好でした。
友人が勤めている園では、園長が主任による新人へのイビリに近い扱いを見て見ぬふりしている、なんて話も聞いていました。それと比べると、私の園は本当に平和だなと感じていたものです。
人間関係に恵まれるかどうかは、運の要素も大きい。だからこそ、自分がたまたま良い環境にいられたことは、今でもありがたかったと思っています。
給料も、一般的な保育士より多めでした
待遇の面でも、悪くありませんでした。
深夜帯の仕事が多かったぶん、一般的な保育士の手取りと比べると、私の給料はかなり多いほうでした。当時はそれで十分満足していました。
ただ、今あらためて考えると、これだけ夜勤も多く、身体への負担も大きい働き方だったことを思えば、もっともらえていてもおかしくなかったかな、とも思います。
満足していた当時の自分と、少し冷静に振り返る今の自分。この感覚のズレも、辞めてから見えてきたものの一つです。
好きだった園を、なぜ辞めることになったのか
ここまで読むと、「そんなに好きだった園を、どうして辞めたの?」と思われるかもしれません。
きっかけは、この園の自由さそのものでした。
私の園は、やりたいと思ったことをしっかり企画として練り、園長に相談すれば実現してしまう園でした。私は保育に英語を取り入れたいと思い、英語教室の企画を出しました。それに同調してくれた園長は、数ヶ月後に外部から外国人講師を連れてきてくれたのです。
その講師の方と話をしたり、海外の保育の話を聞いたりするうちに、「自分も海外の保育に触れてみたい」という気持ちが芽生えました。
日本の保育の現状や、保育士の待遇。色々な面で、日本以外のやり方というものをこの目で見てみたくなったのです。そして最終的に、海外の保育士学校に通うために退職することを決めました。
これは私のかなり特殊な例かもしれません。けれど、保育士に自由度を高く働かせると、園児にとって楽しいことが生まれるだけでなく、保育士本人の挑戦心や成長にもつながるのだと、身をもって感じています。
保育士を続けられる人と、続けられない人
最後に、タイトルの「続けられる人と続けられない人」について書きます。日本で保育士を経験し、その後に海外の保育園にも勤めてみて、思うことが二つあります。
一つ目は、自分が思っている以上に、子どもが好きであること。
私は園長や同僚に恵まれましたが、友人のように、同僚や上司に恵まれないまま働かなければならない人もいると思います。それでも子どもたちが可愛くて、それを仕事のやりがいだと思えるなら、きっと今よりマシな園に転職すればやっていけます。
逆に、同僚や上司に恵まれなかったことで保育そのものが楽しくなくなってしまうなら、おそらく他の園に移っても、どこへ行っても、保育士という仕事にやりがいや楽しさを見いだせないのではないかと思います。
二つ目は、「まぁ、いいか」と思えるかどうかです。
これは保育を適当にやればいい、という意味ではありません。年齢のわりにできないことが多い子がいたり、わんぱくで全然言うことを聞かない子がいたりしても、「この子のためにならない!」と気合で言い聞かせるのではなく、「まぁ、いっか!」という余裕の気持ちを持って接することができるかどうか、という話です。
人間の成長で最も影響を受けると言われる年齢の子どもたちと過ごすのは、責任も重大です。けれどそのぶん、どういう保育をしてあげようか、保護者は何を求めているのか。そういうことを考えながらの保育には、確かなやりがいがありました。同じように自由に働いていた職員は、みんなとても楽しそうでした。
保育士という仕事はとてもハードで、実際めちゃくちゃしんどいというデメリットもあります。その中で、子どもたちとどれだけ楽しいことができるか。楽しいことを見つけるプロになることこそが、この仕事を楽しむための最重要ポイントだと、私は思っています。
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編集部より
認可外保育園は運営の自由度が高いぶん、勤務形態や待遇が園ごとに大きく振れます。この体験談の24時間勤務は、認可では持ち帰りになる作業や設定保育にまで時間をかけられるという保育の充実と、仮眠が深夜2時から5時しかなく不眠症になるという心身の負担が、表裏一体で存在する典型です。さらにこの方の話で示唆的なのは、保育士を続けられるかどうかが労働環境の良し悪しだけでなく、「思っている以上に子どもが好きか」「まぁ、いっかと余裕を持てるか」という本人の向き合い方にも左右される、という視点です。
だからこそ、続けるか辞めるかで迷ったときは、つらさの原因が「職場」にあるのか「仕事そのものとの相性」にあるのかを切り分けてみることが、判断の手がかりになります。職場のせいなら園を変えれば景色は変わりますし、相性そのものなら別の道を考えていい。どちらにしても、今いる環境がすべてではありません。
困った時の選択肢
【今の園が合わないと感じている方へ】
勤務形態も人間関係も、保育園によって本当に大きく変わります。今の園が合わないと感じるなら、保育士を辞めるのではなく、別の園に移るという選択肢もあります。保育士専門の求人サービスほいく畑(対応エリアは20都道府県)なら、資格を活かして条件の合う園を探せます。まずはお住まいの地域が対応エリアか、確認してみてください。
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そのほか、状況に合わせて選べる窓口を挙げておきます。
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