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カラオケ営業辞めて7年無職|MMORPG依存で預貯金3000万を溶かしかけた話

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預貯金3000万円。親から受け継いだ持ち家。月々入ってくる失業保険。

これだけ揃っていれば、人は本気で働かなくなります。

これは32歳でカラオケ機材の営業を辞め、MMORPGに逃げ込んで、気づいたら39歳になっていた私の話です。47歳になった今、振り返るたびに「あの7年は何だったのか」と思いますが、当時の自分には止められなかった。経済的余裕というのは、本当に怖いものでした。

📌 体験者プロフィール

年代・性別:男性(体験当時32歳〜39歳、現在47歳)

前職:カラオケ機材の営業職

経歴:カラオケ営業を32歳で退職 → 7年間無職(MMORPG依存) → 39歳で駅前駐輪場のアルバイト → 現在は会社員

退職時の経済状況:親から受け継いだ持ち家(ローンなし)・預貯金3000万円・失業保険受給中

7年間の経過:預貯金は3000万円から1000万円以下まで減少

家族:両親他界、大叔母(再就職の転機をくれた存在)も他界

現在の状況:会社員として現職継続中

体験形態:実体験ベース

※プライバシー保護のため、個人が特定されない範囲で仮名化・一部詳細を変更しています。

上司のパワハラと人員整理で会社を辞めた

カラオケ機材の営業は、客先が宿泊施設から飲み屋までと幅広く、特に飲み屋相手の商談は仕事終わりが深夜0時以降になるハードスケジュールでした。

ただ私はもともと夜型人間だったので、深夜まで働くこと自体は苦になりません。営業成績もそれなりに上げていたつもりです。

問題は上司でした。

成績を出していても態度は高圧的で、ふとしたきっかけで大声で怒鳴り散らす。何が地雷になるのか分からないので、出社するたびに胃が締め付けられました。

ちょうど会社が人員整理を進めていた時期だったこともあり、「このまま上司の下で続けるよりは、いっそ転職した方がいい」と判断して退職を決めました。

32歳の春。これが私の最初で最大の判断ミスでした。

関連記事:医療機器ディーラー5年で限界|パワハラ・居眠り事故・上司の一言で退職した話

32歳、焦らなかった理由は「経済的余裕」

退職時の私の状況を整理すると、こうなります。

・自宅は親から受け継いだ持ち家、ローンなし

・車のローンもなし

・支出は光熱費・食費・多少の遊興費のみ

・失業保険を受給中

・預貯金は3000万円以上

毎月の支出は失業保険でまかなえてしまうので、預貯金には手がつかない。それどころか、失業保険を受け取っている期間に貯金がさらに増える月すらありました。

普通に考えれば、ありがたい状況です。

でもこれが、私を堕落させる毒になりました。

「明日から働かないと生きていけない」というプレッシャーがないので、求職への危機感が一切育たない。「焦って今すぐ就職しても、数ヶ月後に就職しても似たようなものだろう」という、誰に向けたものか分からない言い訳が頭を埋めていました。

MMORPGという24時間営業の現実逃避先

そして決定打になったのが、ちょうどこの頃ハマっていたMMORPGです。

退職前の私は、午後2時から深夜1時までの勤務でした。深夜1時に仕事が終わっても、リアルの友人とは時間が合いません。起きていそうな友人に連絡しても、「明日朝から仕事だから」とすげなく断られて終わり。

孤独を埋めるように手を伸ばしたのが、ネット越しに誰かとつながれるMMORPGでした。

このゲームの怖いところは、24時間誰かが起きていることです。

深夜に仕事を終える社会人、朝までゲームをする学生、年金生活のシニア層、引きこもり気味のニート。世界中のプレイヤーが時差を超えてログインしているので、いつ画面を開いても誰かと冒険ができる。仲間と一緒にボスを倒して、雑談して、ギルドのオンライン飲み会に参加して。

リアルの自分が無職であることを、画面の中では誰も問題視しません。

仕事の悩みも将来の不安も、MMORPGをプレイしている間は綺麗に消えました。「いつか失業保険は切れる」「貯金は無限じゃない」という冷静な現実認識も、ログインボーナスを受け取った瞬間に頭の隅に追いやられる。

ズルズルとプレイし続けるうちに、「逃げる場所」が「日常」に変わっていきました。

1年、2年、3年…気づけば7年が経っていた

失業保険が切れた頃には、すでに何かのスイッチが壊れていました。

収入はゼロ。出費だけが毎月積み上がっていく。普通なら焦って動くはずが、預貯金3000万円という残高が「まだ大丈夫」とささやいてくる。

ハローワークには行きました。

求人欄を眺めて、「自分にできそうな仕事」を頭の中で品定めして、「うん、こんなものか」と帰宅する。応募はしません。なんとなく次の機会に、なんとなくもう少しスキルを整理してから、と理由をつけて先送りにする。

そして帰宅したらMMORPGです。

不安になりかけたら現実逃避、また少し気が落ち着いたらハローワーク、不安になったらMMORPG。このループが1年、2年、3年と積み上がり、気づけば7年が経過していました。

職歴の空白が7年。

ここまで来ると、もう取り返しがつきません。「今さらどんな仕事ができる?」「面接で7年間何をしていたか聞かれて、何と答える?」という問いが頭をよぎるたび、ますます弱気になって動けなくなる。

預貯金は3000万円から1000万円以下まで目減りしていました。

大叔母の死で目が覚めた瞬間

両親はすでに他界していたので、生活面で私に説教してくる存在はいませんでした。それも私を堕落させる要因の一つだったと思います。

唯一、ことあるごとに私を心配してくれていたのが、大叔母でした。

大叔母は老人擁護施設に入っていて、私が見舞いに行くたびに同じ話をしました。

「仕事しろ。年取ったら就職先見つけるのも大変だから、早く就職しろ」

私は「はいはい」と聞き流していました。施設を出てしまえばMMORPGの世界に戻れるので、大叔母の言葉はその瞬間だけのものでした。

ある日、大叔母が施設で熱中症で倒れて救急車で運ばれたという連絡を受けました。

慌てて病院に駆けつけましたが、大叔母は意識不明の重体。三日後、意識が戻らないまま亡くなりました。

葬儀から帰宅した夜、家のリビングで一人になった瞬間、大叔母の声が頭の中をぐるぐる回り始めました。

「仕事しろ。早く就職しろ」

何度も言ってもらった言葉なのに、その時はじめて、私は「もう二度と聞けない」という事実に気づきました。あれだけ心配してもらったのに、何一つ応えないまま、心配させたまま大叔母をあの世に送ってしまった。

その後悔が、7年間止まっていた歯車を動かしました。

39歳、駐輪場バイトからの再スタート

ここからの動きは、それまでの7年が嘘のように早かったです。

ただし、現実は厳しかった。

39歳・職歴ブランク7年の男に、まともな求人はありませんでした。書類選考で次々に落とされ、面接にすらたどり着けない日が続きます。「この空白の7年は何をされていたんですか?」と聞かれたら、何と答えればいいのか。

最終的に拾ってもらえたのが、駅近くの駐輪場のアルバイトでした。

時給は決して高くなく、いい年したオッサンが胸を張ってできる仕事ではありません。それでも、この仕事を真面目に1年続けたことが、転機になりました。

「7年の空白の後、駐輪場で1年継続勤務した実績」が、ようやく職務経歴書に書けるものとして手に入った。

その実績を持って改めて転職活動をし、現在の会社に拾ってもらえました。今は普通の会社員として、なんとか生活しています。

関連記事:IT企業のパワハラで退職、保育園パートでも雑用地獄|資格取得で天職に出会った話

47歳の今、当時の自分に伝えたいこと

47歳になって、32歳の自分に何か言えるとしたら、伝えたいことは一つです。

「経済的余裕は、猶予期間ではない。罠だ」と。

預貯金が3000万円あっても、無職のまま使い続ければ7年で1000万円以下まで減ります。失業保険が切れた瞬間、減るスピードは想像以上に速かった。

そして何より怖いのは、「働かない時間が長くなるほど、再就職市場での自分の価値が急速に下がる」ことです。1年のブランクと7年のブランクでは、応募できる求人の数も質もまるで違う。私が39歳で駐輪場バイトしか選べなかったのは、年齢だけが理由ではありませんでした。

MMORPGに逃げていなかったら、財産を食いつぶすこともなかった。今よりはもう少しまともな会社にいられたかもしれない。そう思いながら、後悔しつつ生活しています。

もしこの記事を読んでいる方が、退職直後の方や、無職期間が伸びはじめている方なら、一つだけお願いがあります。

預貯金や失業保険の残額が、あなたの背中を押してくれるとは限りません。むしろそれが、あなたを動けなくしているかもしれない。

7年は本当に、あっという間でした。

編集部より

この記事の怖さは、悪条件ではなく“好条件”が人を止めた点にあります。ローンのない持ち家、3000万円の預貯金、受給中の失業保険——本来は次を選ぶ猶予になるはずの余裕が、「まだ大丈夫」というささやきに変わり、求職の危機感を消してしまった。そこに24時間誰かとつながれるMMORPGが現実逃避の受け皿として噛み合い、ハローワークで求人を品定めしては応募せず帰るループが7年積み上がります。働かない時間が伸びるほど再就職市場での価値は急速に下がり、39歳で選べたのは駐輪場のアルバイトだけでした。余裕は猶予ではなく罠になりうる——その実感が詰まった体験談です。

退職直後やブランクが伸び始めた時期は、貯金や失業保険の残額が背中を押してくれるとは限りません。むしろ動けなくしていることもあります。小さくても「次の一歩」を早めに置くこと、そして一人で抱え込まず誰かに状況を話すことが、止まった歯車を動かすきっかけになります。

困った時の選択肢

【退職した後、なかなか動き出せずにいる方へ】

「焦って今すぐ就職しても、数ヶ月後でも同じ」——そう先送りしてしまう前に、転職ありきではなく、自分が次に何をしたいか・どう動き出すかを一緒に整理してくれる相手がいると、最初の一歩が踏み出しやすくなります。「キャリート」は転職前提なしのキャリアコーチングで、22〜39歳向け。立ち止まっている自分を、客観的に言葉にできます。

動き出すきっかけを相談する|キャリート(転職前提なしのキャリア相談・22〜39歳)

そのほか、状況に合わせて選べる窓口です。

・40代・50代で、ブランクや再就職への不安を抱えている方は → 40代・50代向けのキャリア相談|キャリフト(経験の棚卸しから)

・現実から目を逸らしてしまう・孤独で動けないと感じる方は、まず自分の気持ちを整理するセルフケアから → 心のAIパートナー【Awarefy】(自己理解・セルフケアアプリ)

一人で抱え込んでつらいときは、よりそいホットライン(0120-279-338)が24時間無料で相談に乗ってくれます。仕事探しは、お住まいの地域のハローワークでも求職相談ができます。

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