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都内の声優専門学校を1年で中退|親に学費を返済中の私が声優を諦めた話

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都内の声優専門学校に意気揚々と入学した私は、1年足らずで中退して実家に戻りました。

今も、働きながらあのときの学費を親に返済している日々です。

これは、夢の仕事だったはずの声優を、私が自分の心の弱さで諦めた話です。

📌 体験者プロフィール

年齢:体験当時18歳〜19歳(高校3年で進学、1年足らずで中退)

業界・職種:都内の声優専門学校(在学中)

出身:地方(上京して一人暮らし)

在籍期間:1年足らず(2年予定だった専門学校を中退)

現在の状況:実家に戻り、働きながら親に学費を返済中

体験形態:実体験ベース

※プライバシー保護のため、個人が特定されない範囲で仮名化・一部詳細を変更しています。

音を消してアフレコしていた幼少期

私は小さい頃からアニメや映画が好きで(映画は中学生頃からですが)、自分で勝手に音を消してセリフをアテるアフレコ遊びが趣味でした。母親からはいつも不思議そうに見られていましたが、本人は真剣でした。

何かを表現することの楽しさを、なんとなく感じていたのだと思います。声優という職業を意識し始めたのは、たぶんそのあたりからです。テレビで好きな声優さんが話しているのを見ると、自分もこの世界に行きたいと素直に思っていました。

ただ、本気でその道を考え始めたのは、高校3年になってからのことでした。

高3の進路相談、推し声優に感化されて見切り発車

高校3年になっても、私の成績はパッとしませんでした。大学進学はまず無理。進路をどうしよう、と悩む日々でした。

そんなとき、たまたま大好きな声優さんのインタビューや動画に触れる機会がありました。「ああ、やっぱりこの世界に行きたい」と一気に気持ちが盛り上がってしまったのです。

今思えば、頭に血が上って冷静な判断ができていなかったとしか言いようがありません。具体的にどういう道を歩んで声優になるのか、業界の競争率はどれくらいなのか、どんな専門学校が良いのか。何ひとつ調べないままに、「声優を目指す」という結論だけが先行しました。

親に頼み込んで、都内の声優専門学校への入学を決めました。地方からの上京、初めての一人暮らし。期待だけが膨らんでいた春のことです。

都内の専門学校で味わった、同期とのレベル差

意気揚々と通い始めた専門学校でしたが、初日から私の心は折れかかっていました。

授業が始まる前のウォーミングアップで、同期たちは積極的に発声練習をしています。一人で大声を出す勇気もない私には、その光景がすでに別世界に見えました。

「どのシーンなの?」と思わず二度見してしまうほどのテンションでセリフ練習を始める人もいました。私が情報を仕入れてきた経路は、ネットでかき集めたうそか本当か分からない記事や動画ばかり。同期たちの本気度に、最初の段階で完全に圧倒されてしまったのです。

「自分はここにいて大丈夫なんだろうか」

そう思った時点で、もう半分負けていたのかもしれません。

朗読レッスンで指名権を取られた失敗

決定的な瞬間は、朗読のレッスンで訪れました。

講師から「読める人いますか?」と問いかけがあったとき、私は声を上げることができませんでした。手を挙げる勇気が出ず、二の足を踏んでいるうちに、別の生徒がさっと発言権を奪っていったのです。

その光景を見たとき、自分の弱さを突きつけられた気がしました。

声を出してナンボの世界で、最初の一声を出す勇気すら持てない自分。動き出す前から「失敗」の二文字が頭を離れず、体が言うことを聞かないのです。

ミスを引きずる性格と、負のループ

それでも自分なりに発言を試みた時期もありました。ですが、見当違いの回答をして指摘される経験を何度か重ねるうちに、私は徐々に手を挙げることをやめてしまいました。

「またミスをしたらどうしよう」

頭の中はその不安でいっぱいでした。「行かなきゃ」と「また指摘されたら」の負のループ。元々、些細なことを引きずるタイプだった私の性格が完全に裏目に出ました。

前回のミスを引きずったまま次のレッスンを迎えてしまうので、気持ちの切り替えが間に合いません。深みにはまるとはまさにこのこと。授業の前夜に、明日も朝起きて学校に向かう自分を想像するだけで、胃が重くなる日が増えていきました。

「謎の一匹おおかみメンタル」で先輩との交流を拒否

人見知りで、限られた友達としかまともに付き合ってこなかった私が、いきなり初対面の人たちと円滑に関われるはずがありませんでした。

それでも当初の私は、「声優になるために入ったんだ」「仲良しクラブに甘んじてはいけない」と、今思えば「謎の一匹おおかみメンタル」を発動させていました。先輩方との飲み会や集まりに、ことごとく顔を出さなかったのです。

積極的に先輩方と絡もうとする同期を見ては、心の中で「媚びを売ってみっともないな」とすら思っていました。これが成長するための機会損失だと気付かないまま、無情に時間だけが過ぎていきました。

そんな私は、徐々に周囲から浮き始めました。気付けば、私のほうが周りから距離を置かれる存在になっていました。

今なら分かります。声優としての技術はもちろん大切ですが、それ以前に「集団の中の自分」というポジションを冷静に分析して、コミュニケーション能力を身に付けることが、この業界では本当に大事なのです。当時の自分の頬を、できるなら張り倒してやりたい気分です。

自主トレできず、好きなアニメで現実逃避

もう一つ、私が完全にダメだったのが、自主トレーニングです。

専門学校での授業内容自体は、同期も私もほぼ同じものをインプットしています。差をつけるには、人が見ていないところで地道に積み上げるしかない。これは今になって痛感していることです。

無敗のまま5階級制覇を達成したボクシング界のレジェンド、フロイド・メイウェザー選手にこんな名言があります。

「お前が休んでる時、俺は練習している。お前が寝ている時、俺は練習している。お前が練習している時、もちろん俺も練習している」

ボクシングで頂点を取った人ですらこの執念です。それなのに私は、家に帰ってからも好きなアニメに現実逃避していました。「これもトレーニングのうちだよね」と都合のいい逃げ道を自分で作って、本気の練習からは逃げ続けたのです。

どんな業界でもそうだと思いますが、自主トレができる人だけが、初めて「スタートライン」に立てる。勝てる人にとっては、努力という意識すらないのかもしれません。当時の私には、まだそのことが見えていませんでした。

同期との差を感じながら、気力を失う日々

半年、一年と時間が経つうちに、私は同期たちの成長をうとましく思うようになりました。あんなに同じ場所からスタートしたはずなのに、声の張り方も、表現の幅も、現場での振る舞いも、彼らはどんどん前に進んでいきます。

それを見るたびに、自分の中で声優を目指すという夢が、ガタガタと音を立てて崩れ落ちていくのを感じました。

学校に向かう足取りが、どんどん重くなっていきました。授業中も心ここにあらず。家に帰ってもアニメで時間を潰すだけ。気付けば、抜け殻のようになっていく自分がいました。

このまま続けても、私は誰にも勝てない。

そう自分で結論を出した瞬間、私の中で何かが切れた気がしました。

1年足らずで中退、実家に戻り親に返済する日々

結局、当初は2年間の在学予定だった専門学校を、私は1年足らずで中退しました。

親に頭を下げ、地元に戻ることを伝えました。あれだけ頼み込んで上京させてもらったのに、たった1年で帰ってくる私を、親はどんな気持ちで迎えてくれたのか。今でも考えると胸が痛みます。

実家に戻った私は、近場で仕事を見つけ、働きながら当時の専門学校の学費を親に返済する生活に入りました。決して安くない金額です。返し終わるまでには、まだしばらくかかります。

毎月の返済額を口座から振り込むたび、あの東京での1年が頭をよぎります。

それでも後悔していない理由

ただ、私はあの東京での約1年間を後悔していません。

声優になるために培った発声や朗読、表現の技術は、確実に身体に残っています。声を出すことや人前で話すことへの抵抗が、明らかに減りました。

そして、コミュ障の私なりに、最終的にはささやかな仲間と呼べる存在もできました。「謎の一匹おおかみメンタル」が剥がれてからは、同期や先輩と少しずつ話すようになり、貴重な時間を一緒に過ごせたのは大きな財産です。

今も、当時身に付けた知識やメンタルは、現在の仕事に活きています。お客さんの前で話すとき、ふと声優を目指していた頃の発声を思い出して声を整える。そんな瞬間が日常的にあります。

夢を諦めたことは、確かに挫折です。ですが、その経験を引きずって自分を責めるだけでは、せっかく親が払ってくれた学費の意味がなくなる。そう思えるようになるまでには、それなりの時間がかかりましたが、今はそう思えています。

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これから声優を目指す人に伝えたいこと

失敗した人間から、これから声優を目指している人へ伝えたいことが二つあります。

一つは、努力を継続させる力。

授業や養成所のレッスンだけで差は付きません。家に帰ってからの自主トレ、見えないところでの一人練習。それを当たり前の日常にできるかどうかで、一年後の立ち位置はまったく変わります。

もう一つは、万が一の挫折も受け止める覚悟。

夢に挑むということは、夢が叶わない可能性も同時に背負うということです。叶わなかったときに自分を全否定するのではなく、その経験から何を持って帰るのか。そこを冷静に考えられる人ほど、夢に挑む価値があるのだと、夢を諦めた側の人間として今は思います。

応援しています。頑張ってください。

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編集部より

声優は若い世代に根強い人気がある一方、専門学校や養成所を出ても本職にできるのは一握りという厳しい世界です。この記事が誠実なのは、外的な不運ではなく、自分の弱さ——最初の一声を出す勇気が出ず、ミスを引きずり、自主トレから逃げ、先輩との交流も避けてしまった——を正面から振り返っている点です。カリキュラム自体は同期と同じで差はつかない。見えないところでの一人練習と、集団の中で自分を立てる力が、一年後の立ち位置を分ける。「推しへの憧れ」だけで見切り発車した10代が、身をもってそれを学んだ記録です。

夢に挑むことは、叶わない可能性を背負うことでもあります。届かなかったとき、自分を全否定するのではなく、その経験から何を持ち帰るか——そこを冷静に考えられるなら、回り道はちゃんと次に活きます。一人で抱え込まず、これからの進路を誰かに言葉にしてみてください。

困った時の選択肢

【夢に区切りをつけて、未経験から就職したい方へ】

声優の道を一度離れても、培った発声や表現力、人前で話す度胸は、接客・営業・ナレーションなど多くの仕事で活きます。「就職カレッジ®」は、既卒・中退・フリーターから未経験で正社員を目指す18〜35歳向けの就職支援で、書類選考なしの就職講座+面接会で最短2週間の内定を目指せます(就職希望地が東京・神奈川・埼玉・千葉・愛知・大阪・京都・兵庫・福岡の方向け)。

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