PR

ジュエリーショップ販売員バイト3ヶ月|大声強要の体育会系と教育放棄で同期4人中3人辞めた話

サービス・販売系の体験談アイキャッチ サービス・販売系
この記事は約12分で読めます。

「お前、対応している時の声が小さい。もっとデカイ声で話せ。俺たちに聞こえるように。」

接客を終えた直後、先輩からそう怒鳴られたとき、私はお客様にちゃんと聞こえる声で話していたつもりでした。むしろ、そんな大きな声で接客したら逆効果じゃないか——内心でそう思いながら、その後も接客を続けることになった日のことです。

これは、私が憧れて入ったジュエリーショップの研修期間中、体育会系の指導と教育体制のなさに同期4人のうち3人が次々と辞めていった、3ヶ月足らずの話です。

📌 体験者プロフィール

年代・性別:20代前半・女性

職種:アパレルジュエリーショップ販売員

雇用形態:時給制アルバイト

勤務期間:研修期間中(3ヶ月予定のうち、約2ヶ月で退職)

地域:関東圏(希望勤務地は都内・研修配属は都内から少し離れた店舗)

退職理由:呼び捨て・大声強要の体育会系/接客に関する教育が皆無/時給900円以下/休憩がまともに取れない/同期4人中3人が次々辞めていく職場環境

※プライバシー保護のため、店名・ブランド名・地名等の固有情報は仮名化・一部省略しています。

好きだったジュエリーブランドに応募した日

このお店は、都内に数店舗を構える、わりと有名なジュエリーブランドでした。扱っている商品は、安いもので数千円。高いものは本物のゴールドを使った数十万円のジュエリーまで、本格的なお店です。

私はもともとこのブランドのジュエリーが好きで、休みの日には都内の路面店に何度も足を運んでいました。店員さんがみんな愛想良くて、対応がいつも気持ちいいんです。それに、このジュエリーショップは店員さん自身がブランドの広告塔となるくらいオシャレで、お店に立っている人を見ているだけで、なんだか自分まで雰囲気のある人になれそうな気がしました。

販売員としての経験はゼロでしたが、「好きなブランドで働けるなら」という気持ちで応募。面接でも、行きつけだった都内の店舗の名前を出して「あの店舗で働きたいんです」とはっきり伝えました。

面接の結果、最初の3ヶ月間は研修期間として都内から少し離れた店舗で勤務し、その後に希望勤務地に異動する——という条件で採用が決まりました。

販売員未経験の自分は、どんな研修内容になるんだろうと期待半分・不安半分のまま、初出勤の日を迎えました。

希望と違う研修店舗・修理発送中心の店

ところが、実際に研修先の店舗に着いてみると、そこは全くと言っていいほど人通りのないエリアでした。最寄り駅から少し歩いた場所にぽつんと店構えがあって、いわゆる「お買い物に賑わうエリア」とはほど遠い立地です。

詳しく聞いてみると、この店舗では基本的に修理とオンライン注文の商品発送が中心で、店頭での販売は二の次なのだとわかりました。なぜ研修先がここなのかというと、覚えることが多いこのジュエリーブランドでは、お客様の少ない店舗でじっくり商品知識を叩き込むのが慣例らしいのです。

実際、1日のお客様の数は5名程度。あとはひたすら、ジュエリーの勉強と、修理品の確認や発送作業ばかり。

同じタイミングで入った同期は全部で4人。みんな自分より年下で、まだ若さの抜けない感じの子ばかりでしたが、性格は本当に優しい子たちでした。慣れない仕事をお互いに励まし合いながら、毎日通っていた——少なくとも最初のうちは、そんな雰囲気だったんです。

3週間のジュエリー知識詰め込みと男性中心呼び捨て体育会系

働き始めてすぐに気になったのは、職場が男性中心の環境だったことです。先輩スタッフは男性が多く、しかも新人の名前を呼ぶときがすべて呼び捨て。話しかけてくる口調は、いつも怒っているような調子なんです。

トレーニングの最中も、何かを丁寧に教えるというより、ぶっきらぼうに指示を投げてくる感じ。新人の私たちはいつも「怒られているような」感覚を持ったまま、毎日を過ごしていました。良い印象なんて、なかなか持てるはずがありません。

最初の3週間ほどは、ひたすらジュエリーの勉強でした。素材の見分け方、ブランドの歴史、商品ラインナップの違い、修理の基本工程——覚えることは膨大で、頭に詰め込むだけで精一杯。それでも先輩たちは「あれは?」「これは?」と容赦なく質問を飛ばしてきて、答えが詰まると、舌打ちのような反応が返ってくることもあったんです。

——「これって、もしかしてかなりブラック寄りなのでは?」

そう思い始めたのは、研修が始まって2週間も経たないうちでした。それでも憧れて入ったブランドだから、と自分に言い聞かせて続けていたんですが、不安は日に日に膨らんでいきました。

接客中に響く大声強要「俺たちに聞こえるように」

3週間ほどのジュエリー知識の勉強を終え、ようやく少しずつお客様への接客をするようになりました。お客様の数が少ない店舗とはいえ、立つ場所が違うだけで、緊張感がまるで違うんです。

ある日、ちょうど一件の接客が終わった直後のことでした。先輩からこう怒鳴られました。

「お前、対応している時の声が小さい。もっとデカイ声で話せ。俺たちに聞こえるように

——え、なんでですか?

正直、私はお客様にちゃんと聞こえるレベルで話していたつもりでした。それに、ジュエリーショップというのは静かで上品な雰囲気のお店です。そんな店内で先輩たちに聞こえるような大声を出したら、逆にお客様が引いてしまうのではないか——内心ではそう思いながら、その後も接客を続けました。

それに、お客様への接客中に「俺たちに聞こえるように」って、つまり接客の中身を後ろで監視したいということですよね。だったら接客練習として事前に教えてくれればいい話なのに、現場で「聞こえねえ」と怒るやり方は、どう考えても順番が逆じゃないかと思ったんです。

ここで不思議だったのが、ジュエリーの知識に関しては時間をたっぷり使って教えてくれるのに、接客に関しての知識は全くと言っていいほど教えてくれないことでした。

挨拶の仕方、ジュエリーをお見せするときの姿勢、お客様の予算感の聞き方、似合うものをご提案するときの言い回し——そういう「販売員として一番大事なはずの部分」を、誰一人として体系立てて教えてくれませんでした。

そんな状態で「声が小さい」とだけ言われても、そもそも何を意識して接客すれば良いのかが分からないので、怒られても改善しようがなかったんです。

接客知識ゼロで放置・新人4人中接客するのは私だけ

不思議だったことが、もうひとつありました。

研修中の新人は4人いるのに、実際に接客をしていたのは、ほぼ私だけだったんです。

他の3人は、私の見ている限り、ずっと修理品の確認やオンライン注文の発送作業をしているか、ジュエリーの勉強を続けているかのどちらか。たまにお客様が来ても、対応するのは決まって先輩か、私でした。

なぜ自分にだけ接客の機会が回ってきていたのかは、今でもはっきりとは分かりません。同期は私より少し年下の子ばかりで、もしかすると年齢の差が理由だったのかもしれないし、たまたまシフトの巡り合わせだったのかもしれません。

ただ、結果として——接客の知識をきちんと教えてもらえないまま、私だけが現場に立ち、ダメ出しを受け続けるという、なかなかしんどい状況になっていったんです。

「あの子も接客やればいいのに」「なんで私ばっかり」とは、口には出しませんでしたが、内心ではそう思っていました。教えてもらえない上に、ひとりだけ前線に出される感じ。新人にとっては、けっこう堪える日々でした。

同期が次々辞めていく日々

そんなふうに毎日怒られながら過ごしていたある日のことです。

ふだんから一緒に頑張ってきた同期のひとりが、ぽつりと「もう、このバイトを辞めようと思う」と打ち明けてきました。

理由を聞くと、はっきりこう言いました。

「教え方が下手な人が多すぎる。それに、なんで毎日怒られながらやらなきゃいけないのか、わからない」

——確かに、その通りだと思いました。理不尽すぎる職場環境と、アパレルにありがちな体育会系のノリ。それに加えて、時給は900円以下とお世辞にも高くない。やりがいを感じる以前の問題で、続ける理由がどんどんなくなっていく状況だったんです。

その同期が辞めたあと、しばらくしてもうひとり——4人いた中で唯一のもうひとりの女の子だった同期も、退職を選びました。

「私たちも辞めようね」と冗談半分で励まし合っていた相手が、本当に辞めてしまったんです。

そして気づけば、残った同期は、私を含めてたった1人だけになっていました。

新人として一緒に入った4人のうち、3人が短期間で去っていく職場——。これって、外から見ると分からないけど、内側に入って初めて見えてくる、ブラックバイトの典型的なサインなんだなと、後になって思いました。

他店ヘルプで初めて気づいた自店の異常さ

ひとりまたひとりと同期が辞めていく中、私は少しずつ、他店舗のヘルプに行くようになりました。

人手が足りない店舗に応援に入って、接客や修理品の受付などを手伝うんです。最初は緊張しましたが、行ってみると——驚いたことがありました。

他店舗で働いている先輩や同僚と話をしているとき、自分の店舗の話題を出すと、

「えっ、こっちではそんな勉強とかしなかったよ。めっちゃ厳しくない?

と、何度も驚かれたんです。

確かに、別の店舗の人はとても優しくて、対応の仕方が全く違いました。同じブランドの同じ会社で働いているはずなのに、店舗が違うだけでこんなに空気が変わるのか——と、本当に拍子抜けしてしまうほどでした。

「あぁ、自分の店舗はやっぱり普通じゃなかったんだ」

それを実感したのは、皮肉なことに、自分の店舗を出てヘルプに行ったタイミングでした。

毎日怒鳴られながら、当たり前のように耐えていたあの空気は、実はぜんぜん当たり前なんかじゃなかったんです。

電話対応も丸投げと事務所からの謎ルール

自店に戻ると、今度は電話対応の練習が始まりました。

ただ、これも——「練習」と呼べるような内容ではなかったんです。

教えてもらったのは、ほぼ一言だけ。

「とりあえず電話に出て、内容を聞いて、俺たちに教えて」

それだけ。

電話の取り方も、会社名の名乗り方も、相手の用件を引き出す質問の仕方も、メモの取り方も、何ひとつ事前に教えてくれません。それでいきなり受話器を取らされるんですから、こちらは毎回パニック寸前です。

さらに不思議だったのが、近くにある事務所からの電話への対応ルールでした。

「事務所から電話が来たら、まだ挨拶したことがない人にはちゃんと挨拶してね」

そう言われました。挨拶はもちろん大事なことです。それは分かります。でも、こちらが言われた通りに「いつもお世話になっております。〇〇店の〇〇です」と挨拶をすると、相手はだいたいこんな反応でした。

そうなんですね。で、〇〇さんはいますか?

——え、そういう反応……?

相手にとっては、新人の挨拶なんてどうでもよくて、ただ取り次いでほしいだけ。挨拶しろと言われたから挨拶しているのに、流される。

それなら別に「挨拶を細かく指示する意味」って何だったんだろう、と。教育の仕方に一貫性がない感じが、また少し疲れる出来事でした。

別ジュエリーオーナーに聞いた業界実態

このまま続けて良いものか——。

そう本気で迷い始めた頃、私はとあるジュエリーショップに足を運びました。自分の店舗とは別の、こぢんまりとした個人経営のお店で、いつも顔を見せると親しく話してくれるオーナーさんがいたんです。

そのオーナーさんに、勇気を出して自分のお店のことを話してみました。すると——。

「ああ、そこね。やっぱり、けっこうブラック寄りだよ」

その方の口から出てきたのは、想像以上に重い言葉でした。

オーナーさんによると、私のような新人のうちはまだ「下積み」として耐えられる部分もあるけれど、1年以上続けてくると、急に作業量が増えていくらしいのです。それでいて、給料はそうそう上がることがない。

オーナーさんの知り合いにも、同じブランドで働いていた人がいて、その人は——、

5年間働いて、ようやく準社員として正規雇用してもらえた——んだそうです。

しかも、時給換算で計算すると、わずか100円程度しか上がっていない。残業はほぼ毎日。売り上げ成績がかなり良かったその人も、最終的に辞めてしまったとのことでした。

5年。そして時給100円アップ。

聞いて、思わず固まってしまいました。今は新人としての時給900円以下が辛いと思っていても、それを5年続けても、たどり着く場所が——その水準なのか、と。

その話を聞いたあとも、私はもう少しだけ自分の店舗で踏ん張ってみました。憧れて入ったブランドだから、簡単に諦めたくなかったんです。

でも、頭の中ではすでに、出口の方向に向かって歩き始めていました。

休憩取れない日々の限界と退職決断

ある時期から、自店ではスタッフの数がさらに減っていきました。同期が辞め、辞めない人も入れ替わりが激しい現場では、当然のように人手不足の影響が出ます。

その一番のしわ寄せが、お昼休憩でした。

シフト上は休憩時間が決まっているはずなのに、お客様が来れば誰かが対応しなければならない。修理の受付が立て込めば、誰かがその作業に張り付かなければならない。結果として、お昼休憩をまともに取らせてもらえない日が、ずるずると続いていったんです。

毎日のように怒鳴り口調でのトレーニング、教えてもらえない接客、自分だけがダメ出しされる空気、そして——休憩すらまともに取れない日々。

積み重なるしんどさの限界が、ある日ふっと、自分の中で線を超えました。

「辞めよう」

頭で考える前に、心がそう決めていた感じでした。

退職を申し出てから店舗を出るまでの空気は、正直あまり覚えていません。3ヶ月の研修期間も終わらないうちに、私はあのお店を後にしました。

これからアパレル販売を考える人へ

辞めて少し時間が経ってから、しみじみと思ったことがあります。

お客としてお店に行くのと、実際に自分が働くのとでは、見える景色が全く違う——というあたりまえのことです。

実は、私はそのお店に勤める前にも、別のアパレル系の仕事で働いた経験がありました。そのときも、いつも怒られて、低賃金で。華やかな世界に見えて、内側はまったく真逆だったんです。

ただ、それでもまた憧れだけで飛び込んでしまった——。今度こそは違うはず、と。

その繰り返しを経て、思うのは、これからアパレルや販売員の仕事を考えている方にこそ、伝えておきたい言葉です。

そのお店のことを、できるだけ事前によく知ってから働いてみてください

可能なら、SNSやレビュー、店員さんの離職率、研修の評判、社員の働き方——そういう「中の人にしか見えない情報」に少しでも触れておくこと。お客として店に通っているときに感じる印象と、働き始めてから感じる現実は、本当にまるで違うことがあります。

そして、もし入ってみて——「これは、想像と違う」「教えてもらえないのに怒られるばかり」「同期がどんどん辞めていく」——そんな兆候を感じたら、無理をして耐え続けなくていいんじゃないかな、と私は思います。

短い期間で辞めることが負けではありません。自分を削り続ける場所から離れる選択は、ちゃんと前向きな選択です。

関連記事:テーマパーク遊具部門で2年4ヶ月|トイレで昼食を取らされたパワハラ造園長の話

編集部より

この体験談が突いているのは、教育の倒錯です。ジュエリーの素材や歴史は時間をかけて叩き込むのに、販売員の本体である接客——挨拶、提案、予算の聞き方——は誰も体系立てて教えない。教えないまま現場に立たせて、「声が小さい、俺たちに聞こえるように話せ」と背後から怒る。順番が逆だと書き手が見抜くとおり、改善しようのない叱責だけが降ってきます。そしてもう一つ鋭いのは、自店の異常さに気づいたのが「他店のヘルプに行ったとき」だった点です。内側にいる間は、毎日怒鳴られる空気を「当たり前」として受け入れてしまう。同期4人のうち3人が短期間で辞めたという事実こそ、外からは見えない職場の健康状態を映す、最も正直な指標でした。

教えてもらえないのに怒られ続けるのは、あなたの飲み込みが悪いからではありません。同期が次々辞ける職場は、個人の問題ではなく環境の問題です。短い期間で離れることは負けではなく、自分を削る場所から出る、前向きな判断です。

困った時の選択肢

【アパレル・ジュエリーが好きで、ちゃんと教育のある店で続けたい方へ】

この体験者が他店で気づいたように、同じ業界でも店舗や会社によって教育体制や働きやすさはまるで違います。ファッションやジュエリーが好きで続けたいなら、業界に特化した求人サービスで、教育や条件のしっかりした職場を選び直す道があります(全国・正社員/派遣の両対応)。

アパレル・ファッション業界の求人を相談する(iDA)

▼今の店から、まず安全に離れたい方へ

わたしNEXT(女性のための退職代行)
弁護士法人ガイア法律事務所(退職代行・性別不問)

▼心と体がすり減っていると感じる方へ

Awarefy(自己理解・セルフケアアプリ)

▼大声強要・休憩・賃金などに悩んだら、無料の公的窓口へ

・総合労働相談コーナー(パワハラ・休憩・賃金の相談・無料)

タイトルとURLをコピーしました