上司が一人辞めただけで、あんなに職場がボロボロになっていくとは思っていませんでした。
これは、契約書のデータ入力を担当していた派遣社員の私が、無能な上司ひとりの穴を埋められないまま部署ごと壊れていき、体を壊して契約を切られるまでの話です。
📌 体験者プロフィール
・年代・性別:20代女性(体験当時24歳)
・業界・職種:派遣社員の契約書データ入力事務(新規部署の立ち上げメンバー)
・雇用形態:派遣社員
・当時の立場・役職:一般スタッフ(オープニングスタッフの一人)
・退職状況:退職済み(契約を切られた)
・体験形態:実体験ベース
※プライバシー保護のため、個人が特定されない範囲で仮名化・一部詳細を変更しています。
派遣に登録するまでの、遠回りだった転職活動
大学を卒業したあと、私は住んでいる市の就職支援事業に参加しました。
そこで紹介してもらった第二新卒向けの職場に就いたのですが、お局様から受けた精神的なダメージが大きく、契約満了のタイミングで退職することに。2〜3か月ほどかけて、そこで受けたダメージを少しずつ癒しました。
それから改めて転職活動を始めました。その中で派遣会社に登録したところ、割とすぐに次の職場が決まったんです。もう疲れたくない、という気持ちが強かったので、正直ほっとしたのを覚えています。
新規立ち上げの部署で、0からのスタートでした
配属されたのは、派遣社員の契約書データ入力を担当する部署でした。新規・条件変更・延長といった情報を、派遣先企業ごとに決められたルールに従って、契約書のデータとして作成していく仕事です。
その部署は新規立ち上げで、オープニングスタッフの募集だったこともあり、上司も同僚も全員が0からのスタートでした。上司は2人、同期は十数人という小規模な体制で、上司は30代後半〜40代くらい、同僚は20代〜40代と幅広く、私が最年少の24歳でした。
同期同士は基本的に仲が良く、最初の頃はみんなで手探りしながら仕事を覚えていく、悪くない雰囲気でした。ただ、最初の段階で私と同じ派遣元だった同期の一人が、仕事が合わなかったのか辞めていきました。私自身は単純作業自体は嫌いではなかったので、結果として契約満了まで勤めることになったのですが、それでも仕事を覚えるのは他の人より時間がかかったほうだったと思います。何度も同じところでつまずいて、周りに迷惑をかけているんじゃないかと感じることも正直ありました。
「忙しいくらいがちょうどいい」と思っていたけれど
しばらくして、上司の片方が辞めると、部署の空気は少しずつ変わっていきました。
一日にこなす仕事量が増え、明らかに自分たちの部署でこなせる量を超えていったんです。仕事が一日で終わらず滞留するのが当たり前になり、残業も常態化。最初にあった和気あいあいとした雰囲気は消え去り、代わりにギスギスした空気が漂うようになりました。誰かが独り言のようにため息をつくのを、みんな見て見ぬふりをする。そんな空気が日に日に濃くなっていきました。
私は前の職場が仕事の無さすぎる環境で、一部の優秀な人以外は暇を持て余す、いわゆる社内ニート状態になっていた経験があったので、最初は「忙しいくらいがちょうどいい」と考えていました。暇で腐っていくより、忙しくて必要とされているほうがずっとましだと、本気でそう思っていたんです。
でも、もともと体が丈夫なほうではなかった私に、その忙しさはついてこられるものではありませんでした。
風邪をひいたと思ったら喘息が悪化し、インフルエンザにもかかり、免疫力が落ちている兆候がいくつも出てきました。それでも「みんな忙しいから」と、なんとか出社を続けていたのですが、そのうち限界がきたのは体だけではありませんでした。学生時代から悩まされていた睡眠障害が、じわじわと悪化していったんです。
夜、布団に入っても眠れない。日中、仕事中に強烈な眠気に襲われる。そのことがまた気になって、次の夜も眠れない。仕事中にうとうとしてしまい、はっと我に返る。そんな負のスパイラルに、少しずつ、でも確実に落ちていきました。
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相談しても、仕事を絞っても、間に合いませんでした
そんな状態が続けば、当然上司にも話を聞かれます。
私は、自分が病気でどうしてもそうなってしまうこと、病院に通院して薬を処方してもらい、自分でも対策をしながら改善しようと努力していることを、できるだけ正直に伝えました。甘えていると思われたくない一心で、言葉を選びながら説明したのを覚えています。
その後は、比較的簡単で案件量の多い契約延長の案件に特化して仕事を進めることで、オーバーワークの状態を少しでも改善しようとしました。自分なりに、できる工夫はしたつもりでした。
でも、あまりにも部署全体の仕事量が多すぎて、一人が担当を絞ったところでどうにかなるレベルではなく、ストレスから症状は悪化するばかり。改善しようとすればするほど、逆に追い詰められていくような感覚がありました。
そしてとうとう、私のほかに2人の退職者が出た月に、私も契約を切られました。
契約を切られたあと、同期から聞いた話
ここから先は、私と仲が良かった同期からの伝聞になります。
上司は管理者なのに何もしないのはなぜなのかと、職場では大揉めになったそうです。ギスギスした雰囲気は悪化の一途をたどり、そんな状態の中で私の同期たちが次々に辞めていきました。残っている人のメンタルもギリギリで、新しく入ってくる人も何か変な人ばかりになり、部署はもうめちゃくちゃになっていったといいます。
そんな状態に陥ってもなお、上司は保身のことしか考えておらず、もう一人の上司や辞めていった人たちのことを悪く言っていたそうです。上司の化けの皮が剥がれて、完全にブラックな上司であることは、もう疑いようのない状態になっていったとのことでした。
相談窓口に相談しても、何も変わらなかったそうです。
最終的に、その仲の良かった同期も愛想を尽かしてその職場を辞めたのですが、そのときに上司からいろいろと言われて、「上司はとことん口だけで、自分の言葉に何ひとつ責任を持っていない」ことを改めて実感したと話していました。
私はその話を聞きながら、自分が契約を切られたのは、ある意味良かったのだとすら感じていました。上司が無能でオーバーワークが過ぎる環境では、とてもじゃないけどやっていけないと、心のどこかで分かっていたからです。
派遣先の上司ひとりに振り回されている人へ
この職場で壊れていったのは、あなたの体力や忍耐力ではなく、上司が一人減っても増員しなかった管理体制の方です。無能な上司ほど自分の失敗を認めず、そのしわ寄せは真面目に働く側にばかり向かいます。契約を切られたことは、むしろその環境から抜け出せた合図だったのかもしれません。
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