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大手靴販売店の販売員はきつい?土日祝は休めず、ノルマ未達の日は社割で自腹購入した体験談

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いま思えば、あの靴販売店は間違いなくブラックだったと思う。
でも、中で働いている間は、それに気づけなかった。
22歳で契約社員として入社し、のちに正社員になった、大手靴販売店の販売員の話です。

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📌 体験者プロフィール

・年代:入社時22歳

・業界・職種:靴販売店の販売員(接客・販売・レジ・陳列・在庫管理)

・雇用形態:契約社員として入社し、のちに正社員

・企業規模:大企業(全国展開の大手靴販売店)

・退職状況:退職済み

・体験形態:実体験ベース

※プライバシー保護のため、個人が特定されない範囲で仮名化・一部詳細を変更しています。

大手靴販売店の仕事内容は?接客・レジ・陳列・在庫管理まで

私が働いていたのは、日本の大手の靴販売店です。

主な仕事は、お客様への接客と靴の販売。ただ、店舗で働く以上、それだけでは終わりません。レジ打ち、靴の陳列、在庫の管理。売り場を回すための仕事は、ひと通りやりました。

入社したのは22歳のときです。最初は契約社員で、あとから正社員になりました。

靴のことも会社のことも、右も左も分からない状態。正直、靴を売る仕事がどういうものなのか、ちゃんと想像できていなかったと思います。

そこから販売員になるまでの話を、順番に書いていきます。

入社初日、軽い説明を受けただけで売り場に立たされた

初出社の日は、売り場の説明と商品の説明を、ざっと受けただけでした。

そのまま、販売を任されます。

これは正直、かなり度胸が要りました。この会社は、お客様に積極的に声をかけることを教え込む会社だからです。人見知りで、接客も販売もやったことがない人間にとっては、緊張と怖さしかありません。

たとえば、自分が服を買いに行った先の店で、店員さんから「ご試着いかがです?」と声をかけられて、軽くあしらった経験はないでしょうか。

あしらう側だった自分が、今度はあしらわれる側に回る。そう思うと、最初の一声を出す一歩が、なかなか踏み出せませんでした。

お客様が目の前を通るたびに、今かな、まだかな、と迷っているうちに時間だけが過ぎていく。頭の中はそればかりでした。

初日に販売できたのは、一点だけです。

最初に声をかけたお客様が、もともと購入意欲の高い方で、お会計までするすると進みました。これは本当に運がよかったと思います。今後の販売生活を考えれば、まずまずの一歩でした。

店舗にも個人にも、売上のノルマがあった

この会社には、店舗のノルマと、個人のノルマがありました。

店舗のノルマは、店の規模、立地、その日の日にちによって決まります。しかも、全国の売上状況も、個人の売上状況も、リアルタイムで確認できる仕組みでした。

売上が伸びない店舗には、エリアマネージャーから店に連絡が入ります。そして、その不振が売り場の販売員にそのまま伝えられる。数字が足りないという空気ごと、プレッシャーとして降ってくるわけです。

販売の意識が高まる点は、いいところかもしれません。

ただ、数字に追われるとお客様への声かけが増えます。来客の多い店舗では、そのぶん接客の質が下がることもありました。しつこい接客が嫌いなお客様を逃したり、雑な接客でクレームが出たり。売上のための声かけが、かえって売上を逃す原因になる。

売上をかなり重視する会社でしたから、店舗を任される店長の負担は、特に大きかったように思います。

関連記事:新卒1年目で小売の店長に任命され2年で退職|引き継ぎ30分と自腹ノルマの数字地獄

閉店の時間、ノルマにあと少し届かない。社員割引で自分で買った

ノルマをあと少しで達成できないまま、閉店の時間を迎える。これは、頻繁にありました。

閉店が近づくほど、時計と売上の数字を交互に見てしまって、落ち着きません。

どうしても達成したい。そんなとき、社員が社員割引を使って、自分で商品を買うことがあります。

もともと欲しかった商品を、ちょうどそのタイミングで買って、ノルマに貢献する。そう割り切れる人もいるのかもしれません。

でも実際には、売上を重視する社風のプレッシャーに負けて、仕方なく買う人もいました。

私も、その経験があります。

関連記事:新卒で入ったアパレル販売がブラックすぎた話|残業代ゼロ・自爆営業・休み月5日で退職

良かったのは、お客様との距離感が分かるようになったこと

声かけと接客を重視する会社だったおかげで、お客様との距離感が分かるようになりました。

私の言う距離感とは、こういうことです。来店したお客様の様子、探している商品、ファッション、年代、雰囲気。そういうところをひと通り見て、その人に合った声のかけ方を選ぶ。

「そんなにたくさんの要素を見るの?」と驚くかもしれません。

でも、毎日売り場に立っていれば、冷たい対応のお客様もいますし、逆に話したがりの方もいます。人を見極める力は、日に日に養われていきました。

声をかけられる側の気持ちも、分かるようになった

販売の仕事をしているからこそ、自分がお客として店に入ったとき、声をかけてくる販売員さんの気持ちも分かるようになりました。

声をかけるほうの怖さも、かけられるほうの煩わしさも、どっちも知っている。だから自然と気を遣えるようになって、コミュニケーション力も上がっていきました。

土日祝は休めない。休みたいなら、2か月前に「理由」を出す

悪かった点は、はっきりしています。ブラックだったと感じる、いちばんの理由です。

土日祝日が、とにかく休みにくかったこと。

シフトは、基本的に土日祝日は必ず出勤。休みたい日だけ、あらかじめ伝えておく形です。休日のほうがお客様が来て売上も伸びる傾向があるから、販売員を最大限そろえる。そういう考えだったと記憶しています。

大型連休になると、店舗の販売員のほかに、本部からも応援の販売要員が派遣されることもありました。

もし土日祝日に休みを入れたいなら、2か月ほど前に、正当な理由をつけて希望を出す必要があります。たとえば、友人の結婚式。

ただ遊びたいから、という理由は、おそらく認められません。そもそも土日祝日の出勤は暗黙の了解だったので、遊びを理由に希望を出す人は、まずいませんでした。

自分の休みなのに、理由を考えて、許可をもらう。それが当たり前になると、休むこと自体が申し訳ないような感覚になっていきました。

大型店と小型店では、仕事の回り方がまるで違った

私は、大型店と小型店の両方で働いたことがあります。

大型店は、お客様の数が多く見込める分、社員の販売員もたくさん在籍しています。一方で小型店はその逆で、社員の販売員が二人だけ、ということもありました。

社員が少ないと、まず休憩がゆっくり取れません。何かあったとき、アルバイトだけでは対処しきれないことがあるからです。バックヤードで、急いで食事を済ませた日もありました。

販売以外のデスク業務も、少ない人数でこなさないといけません。人がいないので、仕事の割り振りも難しい。突然の休みも、なかなか取りにくい。小型店には、そういうデメリットがありました。

中にいるうちは、ブラックだと気づけなかった

以上が、私が靴販売店で働いた経験です。

一度その会社に入ってしまうと、普通ではないことが、普通になっていきます。自分では気づかないうちに、社風に流されていることも、何度もありました。

今考えれば、ブラック企業だったと分かります。でも実際に中にいると、それすら気づかないことがあるのです。

あの頃の自分に何か言えるなら、土日祝に休めないことも、自腹で買ったことも、普通じゃなかったんだよ、と伝えたいです。

関連記事:アパレル店員のアルバイトを1年で辞めた話|水増しノルマと無給残業、店長の暴言

ノルマと休めなさに慣れてしまった、販売員の人へ

閉店間際に社員割引で数字の穴を自分の財布で埋めることが「よくあること」になった時点で、会社の基準は、いつの間にか自分の基準にすり替わっているのだと思います。

土日祝に休めない、ノルマに追われるといった引っかかりが少しでもあるなら、それは気のせいとは限りません。辞めると決めなくても、外の選択肢を先に知っておくだけで、気持ちはだいぶ楽になります。

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