店長は、耳元でこう言ってきました。
「お前が仕事できないからだよ」
笑いながら。
これは、専門学生時代にアルバイトをしていた個人経営のお寿司屋で、私が体験した話です。
📌 体験者プロフィール
・年代・性別:専門学生時代・男性
・業界・職種:個人経営のお寿司屋(接客・キッチン)
・雇用形態:アルバイト
・企業規模:個人経営
・在籍期間:約1年
・退職状況:退職済み(その後就職)
※プライバシー保護のため、個人が特定されない範囲で仮名化・一部詳細を変更しています。
バイト探しの決め手は、自転車10分と直感でした
私は専門学生の時、アルバイトを探していました。
家から自転車で10分ほどで通える距離だったこと。それと、面接に行った時の直感。それだけで、私はそのバイト先を決めてしまいました。
面接では、店長が開口一番こう言いました。
「かなり厳しい人だけど、ちゃんとしていれば大丈夫だから。君なら大丈夫」
内容自体はいたって普通でした。週にどれくらい入れるか、なんでうちを選んだのか、決まったらどうやって通うのか。ありきたりな質問が続いて、面接はあっさり終わりました。
店長だけが放っていた、違う空気
しばらくして電話がかかってきました。「一緒に働いてほしい」。そう言われて、私はバイト先に向かいました。
最初は、どこにでもある普通のバイト先だと思っていました。
みんな活気があるし、面接をしてくれた女性の方もとても気さくに話しかけてくれる。ここで働けるなら、いい経験ができそうだ。素直にそう思っていました。
でも、店長だけは違いました。最初の挨拶の段階から、少し変わった雰囲気を放っていたんです。
挨拶をしたら、返ってきたのはこの一言でした。
「あぁ、よろしく。分かってると思うけど、ウチは恋愛禁止だから」
それだけ言って、仕事に戻ってしまいました。
とても違和感のある初対面でした。というより、私のことなんて眼中にない、ただの歯車だと言わんばかりの態度。アルバイトという立場上、ある程度そう扱われてしまうのは仕方ないのかもしれません。それでも、あそこまであからさまに態度に出すのはおかしいのでは、とその時は思っていました。
関連記事:回転寿司バイトの店長が元ヤンで地獄だった話|高校生が体験した職場のリアル
気に入られていたと思ったのは、私の勘違いでした
1ヶ月くらいした頃、私は仕事の覚えが早いのと、元気がいいということで、だんだん店長や周りの人に気に入ってもらえるようになりました。
あのぶっきらぼうな店長から認められた。最初はそれが嬉しくて、素直に喜んでいました。
でも、それが自分の勘違いだったと気づくのは、もう少し後のことです。
当時、店長のほかに社員さんがいました。とても真面目な方でした。でもその人は、店長から「容量が悪い」「融通が効かない」といった理由で、かなり怒鳴られていました。
私は当時、可愛がられていたことに調子に乗って、店長と一緒に話せる自分に酔っていました。今思えば、恥ずかしい話です。
でも、事態が急変する時が来たのです。
立場が逆転して、標的にされた日々
新しく入ったバイトの子が育ってきた頃、あの怒鳴られ続けていた社員さんが辞めてしまいました。
その後は、新人の子と私が主にキッチンを回すようになりました。ところが、新人が可愛がられるようになるにつれて、私は無下に扱われることが増えていったんです。
期待値が完全に新人へ移った時、私への嫌がらせが始まりました。
目に見える攻撃はしてきません。でも、聞こえるように陰口を言ったり、小声で何か言ってきたり。性格の悪さがにじみ出ていて、居心地の悪さといったらありませんでした。
一番怖かったのは、こんな出来事でした。
面接を担当してくれたあの女性が、なぜか私にとても怒っていました。理由を店長に聞かれて、「なぜあそこまで怒られているのか分かりません」と答えると、店長は耳元でこう言ってきたんです。
「お前が仕事できないからだよ」
笑いながら。
ゾッとしたのと同時に、他人にここまで言う神経が理解できませんでした。
ちゃんとできていないところがあるなら、注意してくれればいい。それをわざわざ、相手が嫌な気持ちになるとわかっていながら、あんな言い方をする。今でも思い出すと苦しくなります。
その時初めて、あの時いじめられていた社員さんも、こんな気持ちだったのかもしれないと気づきました。
それからは、ことあるごとに言葉の暴力が続きました。少し間違えただけで怒鳴られる。嫌がらせのように、こなせない仕事を回されるように。散々なバイト生活でした。
関連記事:飲食店のキッチンパートを3ヶ月で辞めた|妊娠を伝えたら「やめてほしい」と言われた話
辞めていったのは、私だけじゃなかった
これが私1人の感情論ではないと言える理由があります。バイトの人が2人も、不本意に辞めていったんです。
1人は、期待されていたと思っていた人でした。でも店長とシフトのことで揉めてしまい、辞めざるを得なくなったそうです。
もう1人、私の後に入った新人の子は、シフトが入れないことを前もって伝えたら、親のことまで馬鹿にされました。「給料泥棒」とまで呼ばれて、そのままバックれてしまいました。
就職を機に辞めた今、伝えたいこと
その後、私も後を追うように就職が決まり、正式に辞めました。
でも今でも、あの出来事はブラックなバイトのひとつとして、私の心に強く根付いています。
もし今、初めてのバイトをしている方がいたら、伝えたいことがあります。ああいう人たちとは、なるべく早く距離を置いてください。
今になって思いますが、いつ辞めたところで、自分の人生の時間を無駄にする必要はありません。部下が育たないのは上司のせいだと割り切って、ああいう幼稚な職場からは、離れた方が身のためです。
アルバイト先で急に手のひらを返された人へ
店長に気に入られていた時期があったからこそ、新人が入った瞬間に手のひらを返された衝撃は大きかったはずです。
「お気に入り」の立場は、店長の気分ひとつで簡単にひっくり返る。
それがこの体験の一番怖いところだと思います。
それでも、こうした環境から距離を置くことは、逃げではありません。
困った時の選択肢
【学生・バイトの方へ】
いま同じように、バイト先の人間関係に消耗している学生やフリーターの方は、無理にその職場に留まる必要はありません。新しいバイト先を探すだけでも、視界が変わることがあります。
→ Jobmoreで次のバイトを探してみる
もし、店長からの言葉が単なる注意を超えて、繰り返しの暴言や嫌がらせになっている場合は、公的な窓口に相談することもできます。総合労働相談コーナー(厚生労働省)では、アルバイトも含めた職場のトラブルについて無料で相談に乗ってくれます。気持ちがつらい時は、よりそいホットライン(0120-279-338・24時間無料)に話を聞いてもらうだけでも構いません。
理不尽な職場の話を読んでいると、自分の感情を一度外に出したくなることがあります。すきま時間に本を読んだり、耳で聴いたりするだけでも、頭の中が少し整理されます。
・読んでみる → Kindle Unlimited(30日間無料体験)
・聴いてみる → Audible(30日間無料体験)
理不尽な一日の終わりには、香りのいい入浴剤で気持ちを切り替える時間も大事だと思います。

