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医療機器ディーラーを5年で退職|パワハラと居眠り事故、上司の一言で辞めた話

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この記事は約14分で読めます。

私は23歳から28歳までの5年間、医療機器のディーラーとして働いていました。

正社員として年収400万円、ボーナス2ヶ月分程度。額面だけ見れば、悪くない条件に見えるかもしれません。

でも、その実態は病院の奴隷でした。

朝7時出勤、夜12時まで働いて残業代はほぼゼロ。土日も病院から呼び出されれば飛んでいく。罵声と誹謗中傷が飛び交うパワハラ職場。机を叩きながら「お前みたいなカスは他社で役に立たない」と毎日のように怒鳴られる日々。

最終的に、私は高速道路で居眠り運転による事故を起こして、その後の上司の一言で全てが冷めて退職しました。

これから書くのは、知られざる医療機器ディーラー業界のリアルです。

これから医療業界への転職を考えている人、医療機器メーカー・ディーラーの違いを知りたい人、現在ディーラーで疲弊している人に、何かのヒントになればと思います。

📌 体験者プロフィール

年代・性別:男性(体験当時23歳〜28歳)

前職:医療機器ディーラー(営業職)

雇用形態:正社員

在籍期間:5年

年収:400万円(ボーナス2ヶ月分程度)

現職:医療機器メーカーの製造工場(友人紹介で転職)

退職状況:退職済み(現職継続中)

体験形態:実体験ベース

※プライバシー保護のため、個人が特定されない範囲で仮名化・一部詳細を変更しています。

医療業界への就職を考えている人へ、最初に伝えたいこと

これから医療業界に就職・転職しようとしている人に、最初に伝えたい大事なことがあります。

働くなら、メーカーにしておきなさい。

これは私の5年間の経験から、声を大にして言いたいことです。

医療業界には大きく分けて「メーカー」と「ディーラー(代理店)」があります。同じ医療業界でも、この2つは全く別の世界です。

ディーラーは本当の本当の本当に、ガチで病院の奴隷です。人権なんてありません。

なぜそんなに違うのか。それを理解してもらうために、ディーラーのリアルな日常を順番に説明していきます。

朝7時出勤、3病院をまわる日々

私の会社は、始業時間が9時でした。でも実際には、毎朝7時には出勤していました。

理由はシンプルです。毎日、病院に医療器材を納入しないといけないから。

医療器材は、注射針、マスク、手袋、ガーゼなど、衛生上の理由で基本的に使い回さず、一回きりで使い捨てます。そのため病院は毎日大量の新品消耗品を必要として、それを朝の業務開始までに納品するのが、ディーラーの仕事の一部です。

私は3つの病院を担当していました。

これらすべてを朝の業務開始前に回るためには、7時には会社を出発しないと間に合わない。これが「9時始業なのに7時出勤」の正体でした。

病院は患者の命を預かる場所、だから24時間対応

ディーラーの仕事の特殊性を、もう一つ説明しておきます。

病院は患者の治療を支える場所です。もし医療器材が足りなくなったら、命にかかわる事態が起きる可能性があります。だから病院から「これ足りないから、今すぐ持ってきて」と連絡があったら、何があっても従わないといけません。

土曜の朝でも、日曜の夜でも関係なく駆けつける。夜中の2時に呼ばれることもある。正月の新年の挨拶を中断して、病院へ向かったこともありました。

つまり土日出勤は当たり前で、24時間体制で病院の要求に応える必要があったんです。

毎日毎日、夜12時まで働いて、それでも残業代はほぼ出ない。

給料体系がほとんど固定給で、いくら残業しても収入は変わりませんでした。

ディーラーの仕事は配送だけじゃない

「配送だけならまだマシでは?」と思う人もいるかもしれません。

でも、ディーラーの仕事は配送だけじゃないんです。

医療機器ディーラーは、病院から注文された商品をメーカーから仕入れて、販売することで利益を上げます。だから仕事は、病院への配送だけにとどまりません。

新規受注の営業活動、医療器材の商品説明、医療従事者からの問い合わせ対応、メーカーへの問い合わせ仲介、在庫管理、納品書や請求書の処理。ありとあらゆる業務をこなさないといけませんでした。

利益率10%の薄利多売ビジネス

ディーラーの収益構造を知ると、なぜここまでブラックな労働環境になるか理解できます。

代理店の利益のほとんどは、医療機器で使われる消耗品から構成されます。そして、その消耗品の利益率は約10%程度しかありません。

しかも最近は、どの病院でも消耗品の価格をシビアにチェックしています。

「他社からはもっと安い見積もりが来ている」「コスト削減のため、もっと値下げしてほしい」「他のディーラーに切り替えるかも」。こういう値下げ交渉が日常的に来て、そのしわ寄せは、すべてディーラーに来ます。

利益率を維持するためには、薄利多売で膨大な数の注文を取るしかない。だから院内のいろんな診療科や部門を回って、注文を取りまくる必要がある。

結果として、医療機器ディーラーは仕事量が異常に多い業界になっています。

「ドンキーコング」のように机を叩く上司

労働時間の長さに加えて、私を本当に追い詰めたのはパワハラでした。俗に言う「やりがい搾取」というやつです。

うちの上司は、まさにドンキーコングでした。

漫画やゲームに出てくるあのドンキーコング、机をバンバン叩いて怒り狂うイメージそのままの人物。毎日のように、上司は机を叩きながら怒鳴っていました。私も含めて、若手社員は毎日のように罵声を浴びていました。

「お前みたいなカスは、他の会社に行っても何の役にも立たない」

この言葉を、5年間で何回聞かされたか分かりません。

もう思い出したくもないくらい、繰り返し聞かされました。

新卒だった私は、これが普通だと勘違いしていた

今思えば、これは完全な洗脳でした。

でも当時の私は、社会人として最初の会社だったので、「世の中の会社はこんなものなんだ」と勘違いしていました。

上司に怒鳴られるのは普通。夜12時まで働くのは普通。土日出勤するのは普通。残業代がほぼ出ないのは普通。

何が普通で、何が異常なのかの判断基準が、完全に狂っていました。

新卒で入った会社の文化を「普通」だと思い込む。これは社会人になりたての多くの人が陥る罠です。私自身、そこに見事にはまっていました。

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退職のきっかけ:高速道路での居眠り事故

毎日のように、遠方の病院へ車を走らせる生活。睡眠時間は明らかに足りていませんでした。

ある日、高速道路で居眠り運転をして、事故を起こしてしまったんです。

幸い、命には別状ありませんでしたが、車は大破。自分の体も少し怪我をしました。

事故直後、ショックと混乱の中で、私はすぐに上司に連絡しました。「上司ならまず私の体を心配してくれるはず」と、無意識に期待していたのかもしれません。

返ってきた第一声がこれでした。

「車は大丈夫か?」

私の体ではなく、車の心配。上司にとっては、私のことなどどうでもよかったんです。

この言葉を聞いた瞬間、5年間の何かが全部冷めた音がしました。

「自分はこの会社で、何のために働いてきたんだろう」

「人として扱われていなかったんだ」

「こんな会社にいることが、人生の恥だ」

事故というショッキングな出来事と、上司の一言が組み合わさって、退職を即決断しました。

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友人の紹介で工場勤務へ転職

転職先は、友人の紹介で見つけました。友人は医療機器メーカーの製造工場で働いていて、「人が足りていないからこないか?」と声をかけてくれたんです。

もう一秒でもあの会社にいたくなかったので、即オッケーしました。

転職後の世界、これが普通だった

工場勤務に転職して、私は本当の意味で「社会人として普通の働き方」を知りました。

土日は完全に休み。残業があれば100%残業代が出る。パワハラもなければ、机を叩く上司もいない。深夜の呼び出しは当然なく、休日出勤を強制されることもない。

これらすべてが、当たり前にあったんです。

5年間「これが普通」と思っていた自分の世界が、いかに歪んでいたか。転職して初めて理解しました。

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メーカーとディーラー、選ぶならどっち

ここで改めて、これから医療業界を目指す人に伝えたいことがあります。

医療業界に憧れる人は多いです。「人の命を救う仕事に関わりたい」という志を持っている人もいるでしょう。

でも、メーカーとディーラーは全く別の世界です。

メーカーは、残業代がきちんと出て、休日もちゃんと休める。パワハラ文化はディーラーよりずっと少なくて、専門性が身について、キャリアパスも明確です。

一方ディーラーは、薄利多売で長時間労働、病院の奴隷的な働き方、根強いパワハラ文化、利益率が低く給料も上がりにくい体力勝負の世界。

同じ「医療業界で働く」でも、選ぶ会社のタイプで人生の質が全く変わります。

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「社員は家族だ!」という会社は危険信号

最後に、これから就職・転職する人へのアドバイスを。

求人広告や面接で「社員は家族だ!」「みんなで一致団結して頑張ろう」とアピールしてくる会社は、ブラックの可能性が非常に高いです。

家族だから何ですか。

会社と社員の関係は、労働力と給料を提供し合っている雇用関係にすぎません。それ以上でも、それ以下でもないんです。

「家族だから当然だろ?」「家族なんだから給料以上に働くのは当然」「家族なんだから休日出勤も笑顔でやるべき」。こういう論理で社員を搾取するふざけた会社が、世の中にはたくさん存在します。

私が在籍した会社も、そういう類のものでした。

労働は等価交換です。給料以上のものを要求する会社は、根本的に間違っている。そういう会社は、世の中から絶滅してほしいと心から思っています。

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5年間を振り返って

医療機器ディーラーで過ごした5年間。決して無駄ではなかったとは思います。

ただ、もう一度繰り返します。

働くなら、メーカーにしておきなさい。

同じ「医療業界で働く」でも、人生の質が全く違います。私のように居眠り事故を起こす前に、ブラックな会社からは逃げてください。

社会人として「普通」とは何かを、自分の五感で確かめてください。

おかしいと感じたら、その感覚はたいてい正しいんです。

「これが普通」と思い込んだまま、消耗している人へ

ディーラーの長時間労働や24時間対応は担当者の頑張り不足でなく、消耗品の利益率1割ほどの薄利多売と病院との力関係から生まれ、値下げのしわ寄せが業務量に乗って、固定給だと夜中まで働いても収入は変わりません。

いちばん怖いのは、最初の職場がこうだと「怒鳴られるのも土日に呼ばれるのも普通」と判断の物差しが狂うこと——新卒で入った会社の文化を疑えなくなる、これがこの記事の核心です。

メーカーへ移って取り戻した休める土日や出る残業代は、特別な好待遇ではなく本来の標準です。業界知識を持ったまま移るのは現実的なルートなので、おかしいと感じるなら一人で抱え込まず、下記の窓口で状況を言葉にしてみてください。

困った時の選択肢

【上司と顔を合わせずに辞めたい方へ】

毎日のように机を叩かれ「他社で役に立たない」と言われ続ける職場では、辞めると切り出すこと自体が難しくなります。そんなときは、弁護士が対応する退職代行という選択肢があります。意思表示から会社とのやり取りまで代わりに進めてくれるので、消耗しきって声を上げられない状態でも、まず職場から離れる一歩を踏み出せます。
弁護士法人ガイアの退職代行

そのほか、状況に合わせて選べる窓口を挙げておきます。

・医療業界の知識を活かして、メーカーや他業界へ営業職などで転職したい方は(対応エリアの方は年収・働き方の相談も)
 → type転職エージェント(営業・総合転職に強い・20〜40代)

・動く前に、医療業界のメーカーとディーラーの年収や働き方・口コミを調べて比べておきたい方は
 → ワンキャリア転職(口コミ・年収・選考体験談で比べる)

・過労や強いストレスで心身が限界に近いと感じる方は、抱え込む前に、自分の状態を整えるセルフケアから
 → 心のAIパートナー【Awarefy】(自己理解・セルフケアアプリ)

公的な窓口としては、総合労働相談コーナー(厚生労働省)や、よりそいホットライン(0120-279-338)が無料で相談に乗ってくれます。

働き方や次のキャリアを、まず一冊から考えたいときは、無料で試す方法もあります。

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外回りで一日中車を運転していると、腰やお尻にじわじわ負担がたまる。その負担を逃すために、運転席に低反発のカークッションを敷いている営業職の人もいます。

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