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夢を叶えて保育士になった4年間|卒園式の感動と「記録できてない」と夢に飛び起きた夜

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「記録できていない・・・!」

夜中、自分の声で目が覚めた。心臓がバクバクしている。明日提出の記録が、夢の中で「まだ書けていない」と気づいた瞬間、文字通り飛び起きてしまった。

これは、私が20歳で念願の保育士になり、4年間勤めて退職した話です。

📌 体験者プロフィール

体験時の年代・性別:20代前半・女性

業界・職種:保育園 / 担任保育士

在籍期間:4年間(20歳〜24歳)

当時の立場・役職:担任保育士(0歳〜5歳児クラス担当)

退職状況:退職済み

※プライバシー保護のため、固有名詞や一部詳細を編集しています。

夢だった保育士の現場で、最初に感じたやりがい

保育士になることは、私の中で長く描いてきた夢でした。

20歳で資格を取り、念願の保育園に勤め始めたときは、毎日がキラキラして見えていました。

実際に働き始めて感じたのは、想像していた以上に「子どもの成長を間近で見られる仕事」ということでした。

担任しているクラスの子どもたちが、毎日少しずつできることを増やしていく。

昨日まで言えなかった言葉を、今日は得意げに口にする。

苦手だった食べ物に、初めて手を伸ばす。

そうした小さな変化に気づいたとき、心の底から「いいな」と思える瞬間がありました。

保護者の方々は、お仕事で日中はお子さんと離れて過ごしています。だからこそ、保育園で起きた成長を伝えると、本当に喜んでくださる。

「先生、ありがとうございました」

迎えの時間に言われるその一言が、その日の疲れを全部持っていってくれる感覚は、保育士をしていた人にしか分からないかもしれません。

延長時間に生まれる、もう一つの小さな世界

私が担当していたのは0歳〜5歳までを預かる保育園で、担任クラスは決まっていました。ただ、夕方の延長保育の時間になると、各クラスの子どもたちが一つの部屋に集まる時間があります。

そこで生まれる異年齢の関わりが、私はとても好きでした。

年長さんが、まだ歩くのもおぼつかない1歳児を「お姉さんぶって」抱き上げようとする。

2歳児が、3歳児の真似をして椅子に座ろうと頑張る。

普段は強がっている男の子が、年下の子の前ではちょっとお兄さんらしくなる。

その時間にしか見られない会話があって、その時間にしかできない遊びがあった。担任クラスではなかなか気づけない、もう一つの「その子の顔」に出会える時間でもありました。

卒園式という、一年で最も涙を流す日

保育士として働いていて、一番感動するのはやっぱり卒園式です。

卒園式の少し前から、職員みんなで準備を始めます。中でも記憶に残っているのが、入園時の写真を見ながらビデオレターを制作する作業でした。

「この子、入園のときこんなに小さかったんだね」

「この日の運動会、転んで大泣きしてたよね」

「給食食べられなくて、毎日抱っこしてあげてたなあ」

過去の担任の先生たちと一緒に、一人ひとりの思い出を語り合う時間。

当時はそれが当たり前すぎて気づけなかったけれど、振り返ってみると、あれは保育士という仕事の中で最も贅沢な時間だったと思います。

そして迎える卒園式当日。

入園時の小さな姿、初めて歩いた日、初めて言葉を発した日、お友達と喧嘩した日、運動会で頑張った日――そうした記憶が一気に頭を駆け巡って、自分が担任していなかった子たちの卒園を見送るときでさえ、職員一同で号泣することになります。

卒園した後も、ふらっと保育園に遊びに来てくれる子もいました。

「先生、来たよ♪」

小学校での出来事を、ちょっと大人びた顔で報告してくれる。あの瞬間のために頑張れる、そんな仕事です。

カリキュラムを立て、製作の準備をする日々

ここからは、大変だったことを書こうと思います。

保育士の仕事の中で、特にきついなと感じたのが、毎日の「カリキュラムを立てること」と「次の日の製作活動の準備」でした。

今でこそ、クラス全員で同じ制作をする時間自体が減っているとも聞きますが、私が働いていた頃は、毎日何かしらの制作・活動を組み立てていました。

子どもが楽しめて、年齢に合っていて、安全で、できれば季節を感じられて、保護者にも見せられて――。

そうした条件をすべて満たすカリキュラムを毎日考えるのは、想像以上にエネルギーが必要な作業です。

そして、思いついたカリキュラムを実行するには、当然準備がいる。

色画用紙を切り、見本を作り、人数分の材料を揃え、活動の流れを考えておく。

これが、勤務時間内に終わることはまずありませんでした。

自分の勤務が終わってから保育園に残って準備する日もあれば、それでも終わらなければ家に持ち帰る。

「持ち帰り残業」という言葉が当たり前のように使われていたあの頃、家に帰ってからも、私はずっと保育士をしていた気がします。

30人の担任、記録に追われる毎日

もう一つ、私の中で大きかったのが「記録」の仕事です。

保育士というと、子どもと一緒に遊んだり、外で身体を動かしたりするイメージが強いと思います。実際、子どもたちが保育園にいる時間はその通りです。

ただ、降園後の世界はまるで別物でした。

その日、一人ひとりの子がどんな様子だったか。何を食べて、何を残して、どんな遊びをして、誰と何があったか。そうした記録を一人分ずつ書く仕事が、毎日待っているのです。

1人で30人近くの子どもを担任していた時期は、特にきつかった。

一人にかける記録時間はわずかでも、30人分書こうと思えば、それだけで何時間もかかります。

月ごとに書く記録、行事ごとに書く記録、年に何度かまとめる記録――書類の種類は数えきれないほどありました。

カリキュラムを「楽しい」と思える日もあった。

「今日この子はこれができたから、明日はこの活動をやってみよう」と組み立てる時間は、確かに保育士の醍醐味でもあったのです。

でも、抱える人数が増えれば増えるほど、「この子と本当にちゃんと向き合えているのかな」という不安が頭をよぎる。

そのプレッシャーが、確実に蓄積していきました。

「記録できてない!」と夢で飛び起きる夜

冒頭にも書いた、夜中に「記録できていない!」と夢で飛び起きるあの現象。

最初は数か月に1度のことでした。

それが2か月に1度になり、月に1度になり、最後の方は週に1度はあったような気がします。

仕事が終わって家に帰り、夕飯を食べてお風呂に入り、布団に入る。

そこで「明日の準備、終わってたっけ」「あの子の記録、書いたっけ」と頭の中で繰り返している自分に気づくのです。

そうして眠りについても、夢の中で同じことを考えている。

「あ、あれ書いてない――」その瞬間、現実なのか夢なのか分からない感覚で目が覚めて、心臓がバクバクしている。

何度も書きますが、子どもたちは本当に可愛かった。仕事自体も、嫌いになったわけではないんです。

ただ、心と体のどこかが追いつかなくなっていたのだと、今振り返ると思います。

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女性ばかりの職場で、起きること

私が働いていた保育園には、男性職員がいませんでした。職員全員が女性です。

正直に言えば、人間関係でのトラブルを目にする場面は、何度もありました。

ちょっとした言葉のすれ違いが、女性社会ならではの空気感の中で大きくなっていく――そんな場面です。

ただ、これは女性の職場だからというより、「人と人が関わる以上、どんな職場でもどこかで起きること」だと、今では思っています。

男性がいる職場でも、考え方の違いや価値観のズレでぶつかることはきっと避けられない。

むしろ、自分とは違う考え方を持った先輩と一緒に組ませてもらえたことで、自分一人では気づけなかった保育の視点に出会えたこともありました。

「合わない人とは絶対ぶつかる」より、「違う意見の人と組むからこそ、より良い保育ができるかもしれない」と切り替えられるかどうか。それが、保育士という仕事を長く続けるための一つの鍵だった気がします。

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保育士に向いている人、続けられる人

最後に、これから保育士を目指す人に何か伝えるとしたら、と考えました。

「子どもが好き」というのは、たぶん大前提です。それだけは絶対に必要です。

でもそれ以上に、私が4年働いて思ったのは、保育士に向いているのは「責任を持って向き合える人」だということ。

子ども一人ひとりと、ちゃんと目を合わせて、ちゃんと話を聞いて、ちゃんと記録を残す。

その積み重ねを、楽しい時も大変な時も淡々と続けられる人。

そして最近は、保護者の方からのクレームや要望も増えていると聞きます。子どもと向き合うコミュニケーション能力だけでなく、大人と円滑に話せるコミュニケーション能力も、間違いなく必要になってくるはずです。

私自身は4年でこの仕事を離れましたが、保育士という仕事に対する尊敬の念は、辞めた今のほうがむしろ強くなりました。

卒園式で泣いた瞬間、「先生、来たよ♪」と声をかけられた瞬間、あの時間に出会えたことは、今でも私の中で大切な記憶として残っています。

これから保育士を目指す方、いま現場で頑張っている方が、少しでも「自分らしく続けられる場所」に出会えますように。

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編集部より

この体験談の切なさは、辞めた理由が「嫌い」ではないところにあります。子どもは可愛く、卒園式では号泣し、仕事そのものも嫌いになったわけではない——それでも辞めたのは、心と体が追いつかなくなったからです。保育士の負荷は、子どもと過ごす日中ではなく、降園後に積み上がります。30人分の記録、毎日のカリキュラム、持ち帰りの製作準備。ついには「記録できてない!」と夢の中で叫んで飛び起きるところまで、睡眠にまで業務が侵食していく。やりがいの大きさと業務量の重さが別々に存在するからこそ、好きなまま限界が来る——その非対称を、この記事は描いています。

好きな仕事を離れることは、その仕事を否定することではありません。続けるにせよ移るにせよ、心身が削られる前に園ごとの働き方を見比べておくことは、夢を長く続けるための備えになります。

困った時の選択肢

【記録や持ち帰りの少ない園で、保育士を続けたい方へ】

「子どもは好き、でも記録と持ち帰りで限界」というとき、保育士を辞めるしかないわけではありません。同じ資格を活かして、勤務時間外の業務量や記録のICT化が進んだ園に移るという道もあります。保育士に特化した求人サービスなら、働き方の条件から園を絞り込めます(対応エリアは20都道府県)。

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