📌 体験者プロフィール
・当時の身分:大学生(大学最寄り駅でのアルバイト)
・業界・職種:駅近のパン屋(夕方〜閉店までの勤務)
・雇用形態:アルバイト
・契約上の勤務時間:夕方〜22時
・実態:22時以降のサービス残業が日常化(毎回1時間〜1時間半以上)
・在籍期間:3ヶ月程度
・退職状況:退職済み
・体験形態:実体験ベース
※プライバシー保護のため、個人が特定されない範囲で仮名化・一部詳細を変更しています。
軽い気持ちで応募した、大学最寄り駅のパン屋
募集には「夕方〜22時まで」と書いてありました。
なのに面接で、ひとつだけ妙なことを聞かれたんです。
「22時を過ぎても働ける?」
その時の私は、自宅の最寄り駅の隣駅までならもう少し終電が遅くまであること、隣駅から自宅近辺まで深夜バスが出ていることを思い出して、「毎回は無理ですが、可能です」と答えました。
いま思えば、この質問が出た時点で警戒すべきでした。22時までの募集なのに、どうしてわざわざ「22時を過ぎても働けるか」を確かめるのか。
通っていた大学の最寄り駅だったし、終電も22時半まである。22時に上がれば余裕で帰れるだろう。そのくらいの軽い気持ちで応募してしまったんです。
勤務初日、21時半を過ぎても終わる気配がなかった
勤務初日のことです。
21時半を過ぎても、業務が終わる予感がまったくしませんでした。
「初日だから、私に仕事を教えながらやってくれているせいで長引いているのかな」と、むしろ申し訳ない気持ちで作業していました。
3人で閉店作業をしていて、私以外の2人は明らかにベテラン。慣れてくれば3人で22時までに終わる業務量なんだろう、と思っていました。
でも、10回弱ほど勤務を重ねても、22時に終わったことが一度もなかったんです。
22時は当たり前のように過ぎる。23時を回るのも日常。終わると同時に速攻で店を出て、隣駅で降りて深夜バスにぎりぎり乗り込む。そんな日々が続きました。
22時半前に、誰となく全員分のタイムカードを押していた
そこで、ふと疑問が湧きました。
「22時以降は、ちゃんと賃金が支払われているんだろうか?」
でも周りは私より仕事ができる人たちで、しかもまだそんなに仲良くない。とても聞ける雰囲気ではありません。
その違和感の中で、私はようやく気づいたんです。22時半より少し前に、誰となくタイムカードを全員分押していたことに。
ぼんやりしていた自分が悪いんですが、それまで気づいていませんでした。
オーナーも「一応、残業してることはオーナー(自分)も知っているから」みたいな、ぼやかすような言い方をしていたな、と思い出しました。
最初の給料明細が出たとき、自分で計算してみました。
やっぱり、22時以降はお給料が出ていない。サービス残業だったんです。
私の顔色を察したのか、優しいバイト先の同僚が困ったような顔で、小声で教えてくれました。
「ここ、残業代出ないんだよ」
たしかに、あの業務量はベテランが規定人数の3人入っても終わるんだろうか、と薄々疑問でした。お客さんが少なくて特に大変なことが起こらない日でもそうなんですから、何かあったときは23時半までかかることもしばしばあるそうです。
私は終電を理由に、なんとか23時には店を出るようにしていましたが、それでもサービス残業1時間以上は確定です。
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「うちは売れ残りのパン持って帰れるから帳消し」
そのうち、オーナーから信じられない言葉を聞きました。
「うちは売れ残りのパン持って帰れるから、それで帳消し」
ぼやかし気味に、そんなことを言われたんです。
私は疑問と怒りで頭が混乱しました。
サービス残業の対価が、売れ残りのパン? そもそもパンを持ち帰ったところで、深夜バス代は出ていきます。残業代も出ないうえに、深夜バス代を自腹で払い続けるとなれば、馬鹿になりません。
このまま続けていたら、お金を稼ぐためのバイトなのに、お金がむしろ減っていくだけです。
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オーナーに抗議した翌日から、私だけ22時で帰らされた
意を決して、オーナーに伝えました。
「基本は22時までという契約だったはずです。終電もあるので、毎日のように残業はできません」
本当はもっとはっきり「残業はできません」と言いたかったんですが、勇気を出しきれませんでした。
次のバイトの日、どんな反応をされるのかドキドキしていました。
すると、22時になった途端、私だけ帰るように先輩から告げられたんです。
他の人はサービス残業しているのに、私だけ帰るなんてできるわけがない。そう思いつつも、半ば無理やり帰らされてしまいました。
おそらくオーナーが、「ややこしいことを言ってきたあの子だけ、22時で帰せ」と先輩に指示したんでしょう。
それ以来、私だけ22時で上がるという日々が続きました。サービス残業している人たちの中で、自分だけ早く帰る居づらさ。とてもじゃないけど、続けられる空気ではありませんでした。
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後から入った新人には教えるのに、私には教えない
それだけではありませんでした。
オーナーは別の方法でも、遠回しに嫌がらせをしてきたんです。
家でメニューや価格をひたすら暗記して、誰よりも早く仕事を覚えていた私だったのに、新しい仕事はまったく教えてもらえなくなりました。
しかも、後から入ってきた新人たちには、どんどん新しい仕事を教えていくんです。閉店作業のような特殊な業務ではありません。通常業務の話です。
「○○さん、今日は新しい仕事を教えるね〜」
私のすぐ隣で、意気揚々と新人を指導している声が聞こえてきました。
完全にもう、いづらい以外の何ものでもありませんでした。
メモで退職を伝えたら、「はい」しか返ってこなかった
ついに、退職を申し出ました。
ただ、ここでもまた勇気を出しきれなかった私は、口頭ではなくオーナーのデスクに「来月いっぱいで辞めます」というメモを残したんです。
そのメモへの反応を見ることにしました。
「了承しました」「来月のいつまで働けるの?」――そんな何かしらのアクションを期待していました。
でも、日が経っても、まったく声をかけられないまま日々が過ぎていきました。
そこで、また勇気をしぼって、オーナーに直接声をかけました。
「3週間後に辞めるとメモを残したのですが…」
すると、返ってきたのは「はい」という一言だけ。
「はい」って何? 了承したの? 何なの? と思いつつ、しばらく沈黙が続きました。気まずさに耐えかねて「では月末までよろしくお願いいたします」と続けると、また「はい」。
もう、これはお互い確認できたという脳内処理をして、その日は店を出るしかありませんでした。
振り返って、これからバイトを選ぶ大学生へ
後から聞くと、その店はほとんどの人が3ヶ月以内に辞めていく職場だったそうです。
サービス残業1時間半以上が日常化していて、続けているのは――こう言ってはなんですが――まだ世の中をよく知らない高校生女子1人と、社員の1人だけでした。
たまにそのお店の前を通ると、店頭には常にバイト募集の貼り紙が出ています。
何年経っても、それが下げられることはありません。
これからアルバイトを選ぶ大学生に伝えたいのは、面接で「契約時間を過ぎても働ける?」と確認されるバイト、そして常にバイト募集の貼り紙が出ているお店は、何かしらの理由があるという当たり前のことです。
私自身、当時は世間知らずで「初日に長引くのは仕方ない」と申し訳ない気持ちさえ抱えていました。でも、その違和感は、ほとんどの場合あなたが正しいんです。
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これからアルバイトを選ぶ学生のあなたへ
募集は「22時まで」なのに、面接で「22時を過ぎても働ける?」と確かめてくる。あの質問が、最初の罠でした。残業代の代わりが「売れ残りのパン」で、抗議すれば本人だけ定時で帰され、新しい仕事も教えてもらえなくなる。常に貼り紙が出ているのは、人が定着しない何よりの証拠です。
「初日だから長引くのは仕方ない」と感じたあの違和感は、たいていあなたが正しいんです。おかしいと思ったら、一人で抱え込まず、無料の窓口に相談してみてください。
困った時の選択肢
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立ちっぱなしの閉店作業や深夜の帰り道で、足が重く感じる日もあると思います。立ち仕事で足の疲れが気になる人が、着圧ソックスを選んで履きながら働いていることもあります。
