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WEB制作PM3年で限界|クセ強デザイナー・エンジニアの調整地獄で20キロ増えた話

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「やっぱり全体のトーン変えたいです」

夜のオフィスに残っているのは、私とデザイナーの2人だけ。クライアントチェックも終わっているお役所案件で、ここから「全体のトーンを変えたい」と言い出すデザイナーを前に、私は天井を見上げました。

「いや無理でしょ」とすぐ返したけど、「納得できないものを出したくないんです」の一点張り。 そこから2時間、説得して結局現状維持で着地。その間、止まっていた他の作業を思い返して、地味に痛い気持ちになる。

これは、私が33歳の頃、80人くらいの中小WEB制作会社でプロジェクトマネージャーをやっていた頃の話です。

📌 体験者プロフィール

年代:体験当時33歳前後

前職:中小WEB制作会社のプロジェクトマネージャー(80人規模、お役所案件中心)

チーム構成:デザイナー・エンジニア・コーダーなどクリエイティブメンバー10名ちょっとを管理

在籍期間:3年

月収:30万円(額面)・ボーナス年1回0.5〜1ヶ月分・残業代なし(タイムカード修正運用)

現職:接客業に転職(月給はやや下がるが、ボーナス年2回・残業代支給で年収アップ)

退職状況:退職済み(現職継続中)

体験形態:実体験ベース

※プライバシー保護のため、個人が特定されない範囲で仮名化・一部詳細を変更しています。

プロジェクトマネージャーの実態は「何でも屋」

肩書きはプロジェクトマネージャー。だけど実際は、何でも屋でした。

任されていたチームメンバーは10名ちょっと。クリエイティブメンバーだからこそ、クセが強い人ばかり。これは入ってすぐに感じたし、辞めるまでずっと思っていたことで、本当にストレスの源でした。

進行中のプロジェクト管理、クライアントとのやり取り、社内調整、新規対応、企画書、見積もり。中小規模の会社だと、PMでもこれくらいの範囲を1人で抱えるのが普通でした。

朝のSlackで「今日も終電決定」

朝は9時前に出社して、席に座ってPCを開いた瞬間からSlackとメールのチェックから始まります。未読がそこそこ溜まっていて、この時点でだいたい「今日も終電決定だな」と腹をくくる。

午前中はほぼ社内の調整。デザイナーに仕様を伝えたり、エンジニアに進捗を聞いたり、コーダーに優先順位を振ったり。気づくと午前中が消えていく感覚でした。

デザイナーとの2時間バトル

デザイナーは、とにかくこだわりが強い。

「この余白、1pxでも崩せません」って、普通に言う。最初は「職人気質だな」と思っていたけど、だんだんしんどくなってきました。

お役所案件で仕様がガチガチに決まっているのに、「ここ、気持ち悪いから変えたい」と言い出す。気持ちは分かる。でも今、それやるタイミングじゃない。

冒頭で書いた「全体のトーン変えたい」もそう。クライアントチェックも終わっている段階で、その話を始められると、こちらの体温が下がっていくのが分かる。

「ここ、違和感あるんですよね」

「分かるけど今回は優先順位違うよ」

「でもユーザー目線だと……」

「今回はお役所案件だから仕様優先で」

これをずっと繰り返す。 正直、途中から内容どうこうじゃなくて、「いつ終わるんだこれ」って気持ちのほうが強くなっていきました。 結局、説得して現状維持にしたけど、2時間かかった。その間、他の作業はずっと止まっていた。

エンジニアの「やってます」と前日の地雷

エンジニアは、また別の意味でしんどい。

まず、挨拶しない。

朝「おはようございます」と言っても、返ってこない。最初は聞こえていないのかと思ったけど、普通に聞こえていました。

Slackも既読スルーが多いし、話しかけても「はい」か「無理です」しか返ってこない。

進捗確認も、とにかく難しい。「どこまで進んでる?」と聞いても、返ってくるのは「やってます」。 いや、何をどこまでやっているのか知りたいんだけど。毎回そう思いながら、なんとか引き出していました。

ある時、納期3日前に「大丈夫?」と聞いたら「問題ないです」と返ってきました。 それなのに前日になって、「仕様、分からないので実装できてません」。

さすがに「それ今言う?」が顔に出ました。 もっと早く言ってくれていれば、いくらでも対応できたのに、この一言で全部こちらに降ってくる。 クライアントに頭を下げながらスケジュールを調整して、なんとか制作時間を伸ばす。深夜まで残るのが確定する瞬間でした。

コーダー人手不足、新規対応、企画書、見積もり

コーダーは単純に人手不足。ずっと忙しそうにしていました。誰かが遅れると連鎖して、最終的に間に立って調整するのは、結局自分です。

進行中のプロジェクト以外にも、新規クライアントの対応、企画書、見積もり書の作成。これらにも当然締め切りがある。

気づいたら夕方で、そこからまた社内調整に戻る。1日が、社内調整と外向きの締め切りに挟まれて削れていく感覚でした。

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タバコ休憩で電話が鳴る、もう戻るしかない

夜になると、だいたい何かが起きます。

お役所案件は納期が絶対。遅れるという選択肢はない。だからトラブルが起きたら、残業でカバーするしかない。気づけば終電の時間で、帰れない日も普通にありました。

お腹が空いたらデスクでカップラーメン。これが日常でした。

唯一の息抜きはタバコ休憩。外に出てちょっとボーッとする時間。

でも大体そのタイミングで、電話が鳴ります。

「すみません、トラブルです」

はい終了。戻ります。

入社して20キロ増、月収30万のリアル

こんな生活をしていたら、そりゃ太る。

入社してから、20キロ増えました。

運動する時間はないし、何より疲れて運動なんてやる気が起きない。休日はただ寝て過ごす。食事はカップラーメンとかコンビニ弁当で、ずっと適当でした。

月収は額面30万円。労働時間はかなり長いけど、タイムカードは修正されて、残業代は出ません。毎日終電でも関係なし。ボーナスも年1回0.5〜1ヶ月分で、大したことなかった。 正直、割に合っていないなとはずっと思っていました。

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「これ続ける意味ある?」と冷静になって辞めた

それでも3年は続けたけど、最後はもう無理でした。

一番大きかったのは、給料。全然上がらないし、ボーナスもほぼ出ない。大手じゃないから仕方ないと言われればそうなんだけど、それにしてもきつい。

冷静に考えて、「これ続ける意味ある?」となって辞めました。

ずっと頑張ったから辞めるとか、メンタルが完全に壊れたから辞めるとか、そういうドラマチックな決め手じゃなくて、ある日ふっと冷静になって損得が見えた、というのが正直なところです。

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接客業に転職して気づいた、挨拶が返ってくる幸せ

そのあとは、全然違う接客業に就きました。

最初に思ったのが、「挨拶返ってくるのっていいな」ということ。

「おはようございます」と言ったら、普通に返ってくる。ちゃんと会話できる。これだけで、ストレスがかなり減りました。 本当に基本的なことだけど、報連相もちゃんと回っているから、トラブルも早めに対応できる。前職で何度も発生していた「前日に発覚する地雷」が、構造的にほぼ起きない。

給料は、月だけ見ると少し下がりました。でも、ちゃんと評価されるし、ボーナスも年2回出る。残業代もちゃんと出る。 結果的に、年収は上がりました。

何より、ちゃんと寝て、ちゃんとご飯を食べて、普通の生活ができているのが大きい。

今思うと、本当にあのまま続けなくてよかったと思います。

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これからIT業界を目指す人と、PMをやっている人へ

これからIT業界を目指す人は、会社選びをちゃんとしたほうがいいと思います。特に小さい制作会社は、当たり外れの差が本当に大きい。

あと、ディレクターやプロジェクトマネージャーをやっていた人は、接客業も意外と向いていると思います。調整や、人と話すことに慣れているので、業界を変えても基本のスキルは普通に活きました。

締め切りに追われ続ける生活や、対人ストレスがきつい人は、別の道も全然ありだと思います。

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編集部より

この記事のリアルさは、辞めた決め手が「メンタル崩壊」でも「劇的な事件」でもなく、ある日ふっと損得が見えた、という冷静さにあります。PMという肩書きの実態は何でも屋で、進行管理もクライアント対応も新規も企画も見積もりも一人で抱える。そこにこだわりの強いデザイナーとの2時間バトル、納期前日に発覚するエンジニアの地雷が重なり、お役所案件の絶対納期を残業でカバーする。タイムカードは修正され残業代は出ず、3年で20キロ増えた。クリエイターの個性と仕様の板挟みに立つPMの心理的負荷が、生活そのものを削っていく構造がよく分かります。

PMで培った調整力・対人折衝・進行管理は、IT業界の外でも十分に通用します。割に合わないと感じたら、続けることだけが正解ではありません。残業代の扱いなど労働条件に疑問があれば、一人で抱え込まず確認してみてください。

困った時の選択肢

【このまま続けるか、別の道に行くか迷っている方へ】

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