食品工場って涼しそう。冷蔵設備があって、衛生管理もしっかりしていて、夏でも快適に働けるはず——そう思って4ヶ月の短期派遣を引き受けました。
しかし、初日にこの認識はあっさり覆されることになります。
これは、フリーランスのライターが繁閑差を埋めるためにゼリー飲料工場で短期派遣を経験した、4ヶ月の話です。
📌 体験者プロフィール
・本業:フリーランス(ライティング・写真の素材販売)
・今回の派遣業務:ゼリー飲料工場の生産・梱包(梱包中心)
・雇用形態:短期派遣(残業なし条件)
・在籍期間:4ヶ月(夏〜冬を経験)
・前職経歴:製造業十数年(機械部品)の正社員経験あり
・既往歴:椎間板ヘルニア・坐骨神経痛(傷病再発対策あり)
・体験時期:新型コロナウイルス感染拡大期
・現在の状況:派遣終了、フリーランスとして本業継続中
・体験形態:実体験ベース
※プライバシー保護のため、個人が特定されない範囲で仮名化・一部詳細を変更しています。
フリーランス×製造業十数年というバックグラウンド
普段はフリーランスでライティングを中心、そして写真の素材販売をメインで収入を得てなんとか生活しています。
ただ、フリーランス特有の仕事の繁閑の差というものがあり、ヒマな時は当然収入もそれなりに危なくなるので、不定期に短期で仕事できる派遣会社に時々お仕事を紹介していただいております。
今回紹介していただいたのは、4ヶ月ほどの短期、食品関係、主にゼリー飲料の生産・梱包のお仕事でした。
工場などの製造業は、生産ラインで流れ作業の業務が多くなるので、繰り返しの仕事に抵抗感があるとなかなか大変ですが、逆を返せば仕事内容さえ把握できれば自分のペースを掴んで仕事をこなしていけるものなのです。
フリーランスで仕事をやる前は、製造業を十数年正社員で勤めていました。十数年の経験で繰り返しの動きには慣れていましたが、椎間板ヘルニアと坐骨神経痛という、立ち仕事や繰り返しの動きをするラインの仕事にはかなり致命的な傷病を抱えています。
それでも、4ヶ月ほどの短期であれば。椎間板ヘルニアと坐骨神経痛を患った経験から来る業務の立ち回り方、腰部にコルセットなどの傷病再発対策を施すことによって、1日の仕事をこなすことができる——そう判断しました。
幸い、残業はしなくてもよいという条件もありがたかったです。
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ゼリー飲料工場の業務内容
頂いたお仕事は、ゼリー飲料の生産・梱包。今回は梱包を中心とした業務を担当しました。
生産ラインを流れる商品を、いかに速くきれいに段ボールに詰めていけるか。これが勝負どころでした。そこまで力仕事はなく、業務の難易度自体は高くありません。
ありがたかったのが、配置のローテーション制度。30分〜1時間ごとに配置を移動する仕組みで、同じ場所で同じ動きを延々と続けるわけではないのです。これが体への負担を分散してくれました。
椎間板ヘルニア持ちの私にとって、この配置移動は本当に救いでした。
夏は機械熱でエアコンが効かない地獄
ゼリー飲料の会社に派遣社員で入ったのは、真夏のお盆を過ぎて間もない頃でした。
最近の夏場は気温30℃超えが当たり前、35℃を超える猛暑日も珍しくありません。工場の仕事、それも食品を扱うということで、職場内はきっと快適だろうと思っていました。
しかし、派遣会社の担当さんから職場に入る直前に告げられたのが、こんな一言です。
「なんか、夏はエアコンほとんどつけないみたいですね。」
「えっ」
正確には、エアコンはついている。しかしほとんど効かない。機械熱に負けてしまうのです。製造過程で商品がかなり熱を持ち、冷却水も温度が上がってしまう。夏には全然向かない条件が、複数ついてきました。
正社員の方と最初に交わした会話が、今でも忘れられません。
「いっちばんキツイ時に入社したね〜」
悪く言えばタイミングが悪い。しかし逆を返せば、いちばんキツイ時に慣れればあとは快適に仕事ができる、ということではないだろうか——そう前向きに捉えることにしました。
契約期間は4ヶ月。夏を乗り切れればあとは涼しくなるだけです。しかし、この短いはずの夏の時期がなかなか過ぎていきません。先に働いている正社員の方や派遣社員の方も、意外と音を上げるような雰囲気でした。
ベテランさんも「暑い」と言っているくらいだから、昨日今日始めた人間が耐えられるわけがないのでは——と、不安が膨らんでいきました。
救いはミスト状の水と業務用扇風機
暑い日は業務用の扇風機と、フレキシブルダクトの付いたスポットエアコンでなんとか耐えることができました。
人間の身体というのは環境に意外と馴染んでくるようで、最初の1週間ぐらいはきっと熱中症で倒れて救急車で運ばれるんじゃないかと本気で思っていたのですが、そのような事態は杞憂で終わりました。
業務は同じ配置ではなく、30分〜1時間ごとに配置を移動する仕組み。配置によっては水を取り扱うこともあり、そこは涼しく時々ミスト状の水で清涼感を味わうこともできました。
これもまた、なんとか仕事をこなしていける原動力になっていきました。
冬は作業着が濡れて乾かない、もうひとつの地獄
ミスト状とはいえ、水を浴びるような状態なので作業着が濡れてしまうことがありました。
床も水がこぼれるようなことがよくあったので、作業靴も濡れることがあります。床面は気を付ければ靴を濡らす場面も少なくなりますが、作業着が濡れることに関しては、そこを離れると業務が立ち行かなくなってしまうので、どうしようもないのです。
夏場は、それでもよかったのです。動いていれば乾いてくるし、むしろ涼しくて気持ちいいくらい。
問題は秋〜冬になってから。
その作業場が今度は、とてつもなく寒くなるのです。しかも水も冷たい。作業着が水で濡れて、なかなか乾かない。
夏は濡れても動いていれば乾いてくるものですが、冬場はそうもいきません。
新型コロナウイルス感染が広がっていた時期でもあり、下手に風邪なんて引くことのできない状況。しかし寒い。震えながら仕事をしていたのを今でも覚えています。
過去に十数年、正社員で製造業をやっていましたが、製造していたのは機械部品でした。大元のジャンル(製造業)は同じでも、今回の食品工場とはまるで違う世界。業務自体の内容はそこそこ単純であまり難しくないことが多かっただけに、環境にやられてしまうのはそれはそれで大変な経験でした。
食品工場あるある「廃棄品ってもらえるの?」問題
契約期間を終えた頃には、雪が積もる季節になっていました。思えば、夏の暑さから冬の寒さまで同じ場所で仕事をしてきましたが、非常に環境の変化が激しい現場だったなという印象です。
食品系の仕事に携わっていると、よく聞かれることがあります。
「廃棄される商品って、状態が悪くなかったらもらっていけるの?」
これはありそうで、ありませんでした。私が働いた工場では、些細な不具合品でも完全に廃棄として処理されます。
ひと昔前にあった、コンビニのお弁当などの廃棄がもらえるのか?もらえないのか?という議論。コンビニには直営店とフランチャイズという経営スタイルがあるので、フランチャイズなら例外的にもらえるケースもあるかも、とは言われていますね。
ただ、直営店ベースの食品工場は、基本もらえないと思っておいたほうがいいです。
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短期派遣4ヶ月だからこそ乗り切れた
環境面では夏も冬もそれぞれの壁にぶつかりましたが、なんとか4ヶ月の契約期間を満了することができました。
振り返ってみると、短期派遣だからこそ乗り切れた、というのが正直な気持ちです。
過去の製造業十数年の経験から、業務の立ち回り方を知っていたこと。
腰部のコルセットなど、傷病再発対策をしっかり施したこと。
30分〜1時間ごとに配置を移動する仕組みで、同じ場所での負担が分散されたこと。
残業がない契約だったこと。
これらすべての条件が揃って、はじめて4ヶ月乗り切れたという感覚です。もしこれが正社員で長期勤続となっていたら、椎間板ヘルニア持ちの私にはおそらく無理だったでしょう。
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食品工場で働く人に伝えたいこと
ゼリー飲料を生産している工場で短期派遣4ヶ月、というお話でした。
業務内容は梱包中心。そこまで力仕事はなく、どちらかといえばいかに速くきれいに詰めていけるかが重要でしたが、むしろ職場の環境に思いのほか苦労をした4ヶ月だった、というのが結論です。
もしも食品工場で働くことを検討しているなら、業務内容や衛生面はもちろん大事ですが、職場環境のチェックを優先することをおすすめします。
具体的に確認したいポイントは、こんなところです。
・夏場の空調が効くか
・配置のローテーションがあるか
・水を扱う配置で作業着がどうなるか
・冬場の寒さはどうか
派遣会社の担当さんに「この工場の環境はどうですか?」と一言聞くだけでも、入社後のミスマッチを大幅に減らせます。
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編集部より
食品工場は「衛生的で涼しく快適」と思われがちですが、この記事が覆すのは、その環境イメージです。ゼリー飲料の製造は機械熱で夏のエアコンが効かず、冬は水を扱う配置で作業着が濡れて乾かない——梱包という業務自体はやさしいのに、季節ごとに別の過酷さが現れます。それでも4ヶ月を満了できたのは、製造業十数年の立ち回りの経験、コルセットなどの持病対策、30分〜1時間ごとの配置ローテ、そして残業なしの短期契約という条件がすべて噛み合ったからです。仕事の中身より、環境と契約条件が働きやすさを決める——その典型例だと思います。
工場の仕事を選ぶときは、業務内容や衛生面だけでなく、夏冬の空調・配置ローテの有無・水を扱う配置の作業着の扱いを、先に確認しておくとミスマッチを減らせます。派遣会社の担当に一言聞くだけでも、入ってからの差は大きく変わります。
困った時の選択肢
【派遣や短期で、自分に合う工場・職場を探したい方へ】
「業務はやさしいのに環境で消耗した」とならないために、次の仕事は雇用形態や勤務地、職場環境まで見て選ぶのがおすすめです。派遣・短期・副業で働きたい方は、雇用形態を絞って地域別に求人を探せるサイトを使うと、自分の体や生活リズムに合う現場を見つけやすくなります。
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