深夜のコンビニで、その日に届いたパンが「2つだけ」だったことがあります。
しかも段ボールでもケースでもなく、配送の人が手に持った2つを、はい、と渡してくる。
普通ならありえません。でも私が働いていた店では、そういう日が珍しくなかったんです。
これは、大学四回生のときに体験した「ホワイトすぎたアルバイト」の話です。
📌 体験者プロフィール
・年代・性別:20代男性(体験当時は大学四回生)
・業界・職種:コンビニエンスストアの店員(深夜帯)
・雇用形態:アルバイト
・在籍期間:約1年
・当時の立場・役職:深夜シフトのスタッフ
・退職状況:退職済み
・体験形態:実体験ベース
※プライバシー保護のため、個人が特定されない範囲で仮名化・一部詳細を変更しています。
時給の良さと近さで、深く考えずに応募した
私がホワイトだと感じたのは、コンビニエンスストアの深夜バイトでした。
就業時間は22時から翌6時まで。この時間帯は深夜手当が200円つくので、時給はそこそこ良かったんです。22時から5時までが1280円、5時から6時だけ1080円、という内訳でした。
しかも応募した店は、自宅から自転車で行ける距離。時給は良いし、移動の手間もない。
当時の私は大学四回生で、この終業時間ならバイトを終えてからでも学校に行けます。
深夜のコンビニが楽かどうかなんて、正直そこまで気にしていませんでした。条件だけ見て、わりと軽い気持ちで応募したんです。
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やることだけは、やたらと多かった深夜帯
コンビニの深夜バイトって、レジに立っているだけでしょ、と思われがちです。でも実際は、時間帯ごとにやることがけっこう細かく決まっていました。
22時前から23時までは、基本レジです。二人体制なので、一人がレジ、もう一人が発注、という分担。慣れるまではレジ、慣れてきたら発注、という感じですね。
23時を過ぎると、一人がレジに残って、もう一人がその日のうちに消費期限の切れる商品——紙パックのジュースなんかですね——をチェックして廃棄の手続き。
0時前にはパンが届くので、レジをしながら検品して陳列。
1時前にはおにぎりやお弁当が届くので、これもレジをしながら検品と陳列。
1時半頃には日配品、つまり日用品やお菓子やジュースが届くので、検品して整理して陳列。
2時から4時までは、一人ずつ交代で休憩を取りながら、朝に消費期限の切れる物——おにぎりやお弁当、パンなど——をチェックして廃棄手続き。
4時半からは雑誌類を整理して、返本作業をしたり、届いた本を並べたり。
5時になると店の外を掃除して、ホットフードの調理を始めて、6時に終業。
こうして書き出してみると、やっぱり多いんですよね。客商売なので常にレジの様子を見ながらの作業ですし、覚えることもそれなりにありました。理論上は、決して楽な仕事ではなかったはずなんです。
それなのに楽だった理由は、とにかく客が来なかったから
じゃあなんでホワイトだったのか。答えはシンプルで、とにかく客が来なかったからです。
この店、場所だけ見ると地元のターミナル駅のすぐ近くで、一見すると流行ってそうなんです。でも、現実はガラガラでした。
理由は、駅前に建設中だった市営の大型地下駐車場。私が働いていた店は、その駐車場の出入り口のすぐ前に建てられていました。
駐車場が完成したら、たぶん客はガンガン来ると思います。でも、私がいた頃はまだ未完成。人の流れがそもそもありませんでした。
おまけに店の周りには工事中であることを示す柵や表示が置いてあって、それが通行の邪魔になったり、店の存在そのものを分かりにくくしていたり。
要するに、駐車場の完成を見越して先にオープンしてしまった店だったんです。その「先行オープン」が、結果的に店をホワイト化させていました。
客が来ないと、ぜんぶの作業が一瞬で終わる
客が来ないと、商品も売れません。売れないと、次に届く商品の数もほとんどない。
だから検品も陳列も一瞬で終わるんです。
普通、パン類ってケースを何段も重ねて運んできますよね。積みすぎると入口を通れなくなるから、二回に分けて運んだりもする。
でも私の店では、冒頭に書いたとおり「パン2つだけ」なんて日があって、配送の人が手渡しで済ませていく。
商品が少ないから、消費期限のチェックも廃棄登録も一瞬。ホットフードも、作ったところで売れずに廃棄になるのが目に見えているので、そもそも作れません。作らなければ汚れないので、ホットケースの掃除も楽でした。
客が来ないというだけで、さっき書いた「多すぎる業務」が、片っ端から消えていったんです。
休憩は2時間、雑誌は読み放題
業務はいろいろあると書きましたが、結局どれもすぐ終わってしまう。
本来1時間ずつのはずだった休憩が、気づけば2時間ずつになっていました。
暇を持て余しそうなものですが、そこはコンビニ。雑誌や漫画が山ほど置いてあります。つまり読み放題です。
仕事をしに来ているのか、遊びに来ているのか、自分でもよく分からない状態でした。
こんな調子だったので、本当に楽で、ホワイトな職場だったなと思います。
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これからコンビニの深夜バイトを始める人へ
この体験談がホワイトだったのは、仕事の中身そのものより「客が来ない店だった」という立地の偶然が、ほぼすべてでした。同じコンビニの深夜帯でも、繁華街のど真ん中の店と、先行オープンでガラ空きの店とでは、忙しさは天と地ほど変わります。だから「コンビニの深夜=楽」と一括りにはできなくて、結局は“どの店に当たるか”の比重がかなり大きい、というのが正直なところです。
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深夜帯は店内も、明け方の自転車通勤も思った以上に冷えるので、これから始めるなら防寒インナーを一枚用意しておくだけで、夜の体がだいぶ楽になります。

