PR

地方総合病院の脳神経外科病棟で看護師4年|医者のパワハラとお局派閥と妊婦差別のリアル

医療・福祉系の体験談アイキャッチ 医療・福祉系
この記事は約8分で読めます。

医者が処置中に怒って蹴ってくる。コールで報告したら返事もなく電話を切られる。大柄な脳梗塞患者に殴られてメガネが壊れたこともある。深夜明けに8時半に申し送りが終わったあと、12時近くまで残業する日々——。

これは私が新卒で入職した、地方の総合病院での4年間の話です。

📌 体験者プロフィール

年代・性別:30代女性(体験当時22歳〜26歳)

業界・職種:地方総合病院の混合外科病棟(脳神経外科中心)の正看護師

雇用形態:正職員

企業規模:大規模医療機関・大手介護法人(従業員1000人以上)

在籍期間:4年(2013年4月〜2017年6月)

当時の立場・役職:正看護師(2013年4月取得)・夜勤あり・三交代制

退職状況:退職済み(現在は別の病院で日勤のみ勤務)

体験形態:実体験ベース

体験時期:2010年代

※プライバシー保護のため、個人が特定されない範囲で仮名化・一部詳細を変更しています。

配属されたのは50床中35床が脳神経外科患者の病棟だった

私が新卒で入職したのは、地方の総合病院。配属されたのは混合外科病棟でした。

50床ほどある病棟のうち、35床は脳神経外科の患者さんが占めていました。急性期から慢性期まで、脳疾患の患者さんが入院している病棟です。

地方の総合病院なので、周囲の地区で脳疾患になった方が毎日何人も運ばれてきます。緊急入院がない日はありませんでした。

業務はとにかく多くて、残業は毎日2時間が当たり前。定時前に申し送りを済ませて、残った業務を終わらせて、定時が過ぎてから記録を書く——それが日常でした。

電子カルテだったのですが、パソコンの数が足りなくて、お局看護師と医者がパソコンを占領していると、若い看護師は順番待ちで業務が進まない状態です。

介護士さんもいましたが、ほとんど全ての業務を看護師がしなければならない病棟だったので、本当に業務量が多くて大変でした。

三交代制の夜勤集中で身体が壊れていく日々

夜勤は三交代制で、深夜・深夜・準夜・準夜が連続でつくシフトが毎月当たり前にありました。

「夜勤集中する期間」というのが必ずあって、その時期は本当にきつかったです。夜勤のときも、ほぼ毎日緊急入院が来るので、患者さんを受け入れて対応して、空いた時間に記録を書いて——気づけば深夜明けでした。

深夜明け、8時半に申し送りが終わったあと、12時近くまで残業する日が続きました。

家に帰っても、また数時間後には次の勤務。身体はかなり辛かったです。

医者が処置中に蹴ってくる——日常化したパワハラ

医者がとにかく怖い病棟でした。

高圧的な態度で、好きな看護師と好きじゃない看護師で対応が全く違う。気に入らない看護師には冷たく当たります。

処置中、医者が機嫌を損ねると蹴ってくることもありました。

コールをして報告すると、返事もなく電話を切られる。質問しても無視される。

いま思えば完全にパワハラなのですが、当時はそれが「当たり前の雰囲気」で、何も言えませんでした。

新卒で入った私には、それが普通なのかおかしいのかも判断できなかったのです。

病棟内のお局派閥に挟まれる新人看護師

病棟は3チーム制で運営されていました。そして、チーム内のお局同士がお互いを嫌い合っていて、若い看護師はその間に挟まれてかなり大変でした。

お互いの嫌味を、間に立つ新人看護師に言ってくるのです。教えてくれる先輩看護師も、その人その人で言うことが違って、何を信じればいいのか分からなくなりました。

お局のやり方に陰で文句を言う人が多く、3チーム間の対立構造がそのまま雰囲気として漂っている病棟でした。

唯一の救いは、プリセプターの2個上の先輩がとてもいい人だったこと。あの先輩がいなかったら、もっと早く心が折れていたと思います。

管理職の方も、とてもいい人でした。

2年目で忘年会出し物の仕切り役を任される

年末に病院全体の忘年会があって、そこで病棟ごとに出し物をしなければいけませんでした。

そして、それを仕切るのが2年目看護師の役割。

入職してまだ2年しか経っていないのに、お局や医者に出し物の練習スケジュールを確認したり、台本を作ったり、衣装を準備したり、小物を揃えたり——。

「新しい看護師が病棟に慣れるため」という名目でしたが、通常業務に加えての負担はかなり重かったです。

しかも、月に一度のチーム会議は休みでも出てこなければいけません。休日の会議や勉強会、飲み会も出席必須で、休みらしい休みはほとんどありませんでした。

印象的だった患者たち——警察待機の刺青患者と殴ってくる脳梗塞患者

4年間で、印象的だった患者さんが何人かいます。

一人は、警察に逮捕されている最中に痙攣発作を起こして搬送されてきた人。夜勤の時に対応しました。一泊入院ということで、部屋の前には警察が一人、患者さんが逃げないように一晩待機していました。

なんで逮捕されたのかは不明。両腕に刺青がすごくて、点滴のルートを確保するのに本当に苦労しました。

しかも、お酒をめちゃくちゃ飲んでいてほぼ酩酊状態。痙攣発作も「飲み過ぎか、逮捕されたくなくて演技したのでは?」と医者にも言われていました。次の日、その患者さんは普通に退院していきました。

もう一人、大柄な患者さんが脳梗塞で入院してきました。暴力的な状態で、近付く人を殴るような人で、私も何度か殴られました。メガネが壊れたこともあります。

認知症で暴れるおばあちゃんなんて、可愛いものでした。やっぱり、大柄な男性に殴られるのは怖いです。

でも、殴られても庇ってくれる人はいませんでした。「当たり前」「自分の身は自分で守ろう」という感じです。いまならちょっとありえないと思うのですが、当時は何も言えませんでした。

新卒で、その病棟の「当たり前」を刷り込まれていた気がします。

管理職の異動と妊娠が辞める決め手になった

そんな病棟で4年続けられたのは、プリセプターの先輩と、いい人だった管理職の方がいたからでした。

ところがその管理職の方が、病院内で別の部署へ異動になってしまいました。

「救いがなくなった」と感じたとき、私の中で何かが切れて、辞めようと決心しました。

タイミングよく、第一子を妊娠したので、実家へ帰るために退職することにしました。

ただ、妊婦になってからの日々もきつかったです。

お局からの白い目が痛かった。「昔は妊婦でも夜勤も普通にしていた」「おむつ交換や体位変換など、体を使う業務も普通にやっていた」と、嫌味を言われました。

私は配慮してもらって夜勤や体を使う業務を免除してもらっていたのですが、それに対する陰口があったようです。

同時期に同期も妊婦になって、二人同時に人手が足りなくなったので、嫌味は余計に強くなりました。

別の病院で働き始めて気づいた「あれは全部おかしかった」

退職後、子供が生まれたタイミングで、別の病院に就職しました。

ただ、はじめの病院の印象が強過ぎて、看護師として働くこと自体をためらいました。

そのとき、看護ルーの転職サイトに相談したら、「働き方を変えれば、看護師として働き続けられる」と教えてもらいました。子供が生まれたばかりだったので、夜勤をせず日勤のみ、残業ほぼなしの職場を選びました。

収入は大きく下がりました。

でも、体や精神的には本当に楽になって、転職してよかったと心から思っています。

別の病院で働き始めて気づいたのは、「あの病棟の当たり前は、全部おかしかった」ということ。

医者が処置中に蹴ってくる、コールしても無視される、大柄な患者に殴られても庇ってもらえない——どれも、別の病院では起こらないことでした。

新卒だった私には、何が当たり前で何がおかしいのかも、わからなかった。だから、刷り込まれた「当たり前」をそのまま受け入れていたのです。

色んな業務を経験できて、看護師としてのスキルアップはできました。ただ、あのまま働き続けていたら、私もあそこにいたお局看護師のようになっていたのかな、と思うことがあります。

辞めて、本当によかったと思います。

関連記事:医療機器ディーラー5年で限界|パワハラ・居眠り事故・上司の一言で退職した話

これから看護師を目指す方へ

私が働いていたのは、地方総合病院の混合外科病棟という一つの職場にすぎません。だから、これが看護の世界の全部だとは言いません。

ただ、もし今あなたが「これが普通なのか、おかしいのか分からない」という場所にいるなら、それは新卒のときの私とたぶん同じです。最初に入った職場の空気って、思っている以上に「これが当たり前」として体に染み込んでしまう。

看護師の働き方は、本当にいろいろあります。夜勤あり・夜勤なし、急性期・慢性期、病院・クリニック・施設・訪問。場所を変えれば、自分の物差しも戻ってきます。

今がしんどいなら、看護師そのものを諦める前に、働き方を変えるという道があることだけは、頭の隅に置いておいてほしいです。収入は下がっても、体と心が戻るなら、私はその価値はあったと思っています。

関連記事:難病病棟の看護師1年目で心が限界に|ALS患者の暴言と「食べたい」のジレンマ

編集部より

この体験談で最も重いのは、暴力やコール無視そのものより、新卒だった書き手が「これが普通かおかしいかも判断できなかった」と振り返っている点です。最初に配属された職場の文化は、比較対象を持たない新人にとって”医療現場の標準”として丸ごと内面化されます。異常を異常と感じる物差しごと奪われるため、声を上げる前に、違和感そのものを持てない。唯一の支えだったプリセプターと管理職が去った瞬間に決壊したのは、その物差しを外から補ってくれる存在を失ったからでしょう。

だからこそ、別の病院・別の働き方を一度でも知ることには、収入以上の意味があります。辞めることも、働き方を変えることも、決して逃げではありません。

困った時の選択肢

【看護師資格を活かして、正社員のまま働き方を変えたい方へ】

「あの病棟の当たり前は全部おかしかった」——別の職場を知って初めて気づけたように、看護師の資格は同じ病院に縛られ続けるためのものではありません。介護・医療・福祉の正社員求人を専門に扱うエージェントなら、資格を活かしたまま、夜勤の有無や残業量まで含めて働き方を選び直せます。

資格を活かして働き方を変える(介護JJ)

▼今の職場から、まず安全に離れたい方(無料相談)

弁護士法人ガイア法律事務所(退職代行・性別不問)
わたしNEXT(女性のための退職代行)

▼動く前に、ほかの職場の実情を知りたい方

ワンキャリア転職(口コミ・年収・選考対策)

▼心と体がすり減っていると感じる方へ

Awarefy(自己理解・セルフケアアプリ)

▼つらさが限界に近いときは、無料の公的窓口へ

・よりそいホットライン:0120-279-338(24時間・無料)
・いのちの電話:0570-783-556(10:00〜22:00/通話料有料)
・総合労働相談コーナー(パワハラ・労働問題の公的相談・無料)

タイトルとURLをコピーしました