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自動車部品の設計職を5年で退職。日をまたぐ残業と一人出張の日々から、出産を機に転職した話

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先輩がまだ席に残っていると、「お先に失礼します」の一言が言えない。
気づけば日付をまたいでいて、家に着くのは深夜1時を回っていました。

地方の自動車部品の設計会社で5年間働いた、私の話です。

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📌 体験者プロフィール

・年代・性別:30代女性(体験当時22歳〜27歳)

・業界・職種:自動車部品メーカー(足回り部品)の設計・開発職

・雇用形態:正社員(新卒入社)

・企業規模:中小企業(岡山県内)

・在籍期間:5年

・退職状況:退職済み(出産を機に転職)

※プライバシー保護のため、個人が特定されない範囲で仮名化・一部詳細を変更しています。

地元の岡山で理系の専門職に就きたくて、自動車部品の設計会社に応募した

大学では工学部で化学を勉強していました。
就職するなら理系の専門職がいい、と漠然と思っていたんです。

それに、地元の岡山を離れる気もあまりありませんでした。
地元で、専門を活かして、長く働く。それが当時の私にとって、いちばんわかりやすい将来の姿でした。

そんなときに大学の教授が勧めてくれたのが、岡山県内の中小企業のなかでは、そこそこ名の知れた自動車部品の設計会社です。

筆記試験と2回の面接を経て、内定をいただきました。
正直、そのときは「専門職に就ける」という安心のほうが大きくて、設計の仕事がどんなものなのか、細かいところまではわかっていなかったと思います。

雇用形態は正社員で、手取りは18万円。ボーナスは夏冬あわせて80万円ほどで、年収にすると320万円くらいでした。

足回り部品の設計から材料の評価まで、最初の毎日は忙しくて充実していた

仕事は、2DCADと3DCADを使った、自動車の足回り部品の設計・開発です。

お客様のところへ出張して打ち合わせをして、配置設計や性能要件を聞いてくる。それを社内の設計標準に落とし込みながら、要望を叶えていく仕事でした。

部品にはゴム材も使われていたので、その材料の開発や評価も仕事のひとつ。
合間には技術報告会やQC、ベンチマーク調査もあって、毎日があっという間に過ぎていきます。

忙しかったけれど、思い描いていた「理系の専門職」の仕事をしている実感がありました。
最初の頃は、充実した日々を過ごしていたと思います。

聞かれるままプライベートを話したら、案の定、裏で言われていた

仕事の中身に問題はなかったんです。
つまずいたのは、人間関係でした。

それまでの私の周りにいたのは、大学の友達と教授くらい。
会社という場所で、上司や同僚とどう関係をつくればいいのか、まったくわかっていませんでした。

たとえば、プライベートなことをあれこれ聞いてくる先輩がいました。
あまり言いたくないことまで聞かれるままに話してしまって、案の定、それが裏で言われていたんです。

自分の話がそんなふうに広がるなんて、考えてもみませんでした。

「お局様」と呼ばれる人との距離の取り方が、わからなかった

いわゆる「お局様」と呼ばれるような方もいて、そういう人たちとの関係づくりも、正直しんどい部分でした。

新卒の私には、どこまで踏み込んでいいのか、どこから先は触れちゃいけないのか、その線引きがまったく見えなくて。
近づきすぎても怖いし、離れすぎても角が立つ気がして、いつも少し身構えていました。

性能評価をお願いするたび、派遣・契約社員の方に文句を言われた

もうひとつ大変だったのが、製品の性能評価をしてくれる方たちとのやりとりです。

評価を担当していたのは、派遣社員や契約社員の方が大半でした。
設計側の私たちは正社員でボーナスもある。その立場の違いも、たぶん関係していたのだと思います。

慣れない新卒の私が評価を依頼すると、文句を言われることも少なくありませんでした。
気持ちがわからないわけじゃないんです。でも、依頼するたびに身構えてしまって。

社会人ってこんなにしんどいのか。
そう初めて思ったのを、今でもよく覚えています。

関連記事:自動車メーカー委託の設計職を3年で退職|なぜなぜ分析で潰れた人間関係地獄

化学科出身で設計の知識はゼロ。CADは見様見真似で覚えた

設計・開発職というと、専門的なことばかりを想像するかもしれません。
でも、最初に覚えたのはCADという、比較的かんたんな作業でした。

私が使っていたのはAutoCAD。機械や部品の設計に、わりと広く使われている設計ツールです。

ただ、私は工学部でも化学科の出身でした。
CADはもちろん、設計の知識もほとんどゼロの状態で入社しています。

だから最初は、先輩に教わりながら、納入仕様書や製品図を描くなかで、見様見真似で触って覚えていく感じ。

このCADのスキルは、意外とつぶしがききました。
あとの転職活動でもスキルとして書けたので、今となっては、学んでおいてよかったと思っています。

試験データはExcelで1万行。報告書を早く出すために身についたもの

思わぬところで鍛えられたのが、ExcelとWordです。

試験をするたびにデータは膨大な量になって、多いときはExcelで1万行にもなりました。
お客様への報告書は、早く出せば出すほどいい。だから、いかに速く処理してまとめるかが勝負でした。

追われるように使っているうちに、ExcelもWordも、いつの間にか手が覚えていました。

関東日帰りも海外も。入社3年目以内から、お客様のもとへ一人で出向いた

この仕事は、出張も残業も当たり前でした。
ひどいときは、関東まで日帰りで行くこともありましたし、海外に行くこともありました。

しかも、入社3年目以内から、お客様のところへは一人で出向きます。
技術営業のような面もあるので、営業の担当がいても技術的なところではほとんど頼れず、結局は自分で受け止めるしかありませんでした。

若手のうちから任せてもらえる、と言えば聞こえはいいですけどね。
当時の私には、ただただ気の張る移動の連続でした。

日帰りの日は、行きの移動中から打ち合わせの受け答えを頭のなかで繰り返して、帰りの移動中は報告書の段取りを考える。座っているだけなのに、家に着く頃にはぐったりしていました。

海外のときは、なおさらです。技術の話だけは私が責任を持って答えなければいけなくて、その緊張がずっと抜けませんでした。

日をまたぐ残業と、先輩が残っていると帰れない空気

残業も、日付をまたぐことが珍しくありませんでした。

先輩が席に残っていると、なんとなく帰りづらい。
そういう空気が、本当にしんどかったです。

帰宅が深夜1時を回る日もあって、そこから家事をするのは無理な日もありました。
洗濯も片づけも後回しで、ただ寝るだけ。それでも、翌朝はまた同じように出社します。

眠る時間を削ってまで仕事を優先しているのに、「まだ先輩が帰っていない」というだけで席を立てない。その矛盾が、じわじわと効いてきました。

仕事そのものは、嫌いじゃなかったんです。
それなのに、生活のほうが先に削れていく感覚がありました。

子供ができたのを機に転職。給料は下がっても、時間が戻ってきた

ずっとこの働き方を続けるのは、少しずつしんどいと感じるようになっていました。
そんなときに、ちょうど子供ができたんです。

それが、転職を決めたきっかけでした。

今は、給料は少しだけ下がりました。
それでも、自分の時間と家族との時間をしっかり持てるので、満足しています。

転職活動では、CADのスキルがちゃんと役に立ちました。
あの5年間で身につけたものは、今も残っています。

関連記事:電機メーカー子会社の開発設計を10年で退職|妻の「私か会社か」で目が覚めた

設計・開発の仕事で、残業と出張に限界を感じている人へ

この体験談で目を引くのは、設計の仕事そのものに不満はなかったのに、消耗の原因が「先輩が残っていると帰れない空気」と「若手のうちからの一人出張」という働き方のほうにあった点です。仕事が好きでも、生活が先に削れていく職場はあります。今の環境を続けるかどうかは、給料や役職だけでなく、家族との時間も含めて「この働き方を続けられるか」で考えてみるのも、ひとつの目安になります。

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