「あの頃は僕にとって、〇〇さんの時代だったなあ」
きっぱり縁を切ったつもりだった元店長から、ある日突然そんな一文が届きました。
読んだ瞬間、背筋がすっと冷たくなったのを、今でも覚えています。
📌 体験者プロフィール
・年代・性別:20代女性(体験当時18歳〜22歳)
・業界・職種:写真現像店(スーパー内テナント)の受付・販売スタッフ
・雇用形態:アルバイト
・企業規模:個人経営の小規模店舗
・在籍期間:通算約4年(途中1年間、留学のため離脱)
・退職状況:退職済み
・体験形態:実体験ベース
※プライバシー保護のため、個人が特定されない範囲で仮名化・一部詳細を変更しています。
友達を紹介したら5千円、のはずが
これは、大学生になってすぐに、近所のスーパーの中にあるテナント――写真現像店でアルバイトを始めた私の話です。
大学に入学したばかりの春、私はすぐにでも働きたくて、家から近いその店に目をつけました。パスポート写真や証明写真の受付、フィルムの受け渡し、写真の販売。そんな仕事内容を聞いて、そこまで難しくなさそうだと思ったのを覚えています。狭いカウンターの中で一日中お客さんの相手をする、地味だけど落ち着いた仕事だと思っていました。
18歳から22歳まで、途中1年間の留学で中抜けした期間を挟みながら、通算でだいたい4年ほどこの店で働きました。当時のスタッフは私のほかに主婦の方が2人、学生は私だけでした。年収にすると約30万円くらいだったと思います。シフトはそこまで多くなかったので。
学生バイトなんてそんなものだろうと、当時は特に疑問も持たずに働いていました。今思えば、この「疑問を持たない」性格を、店長にうまく利用されていたんだと思います。
しばらく働くうちに、店長が「友達をバイトに誘ってほしい」としつこく言うようになりました。人手が足りなかったんだと思います。
最初は軽く聞き流していたのですが、あまりにもしつこくて、後半になると「紹介料として一人5千円払うから」とまで言われるようになりました。
当時の私は今よりずっと従順で、店長の言うことをそのまま信じるタイプでした。実際に友達を誘い、2人がバイトに入ってくれることになったんです。友達が「〇〇(私)が言うなら」と決めてくれたのを、今でもよく覚えています。
ところが、約束されていたはずの紹介料は、一円も払われませんでした。
こちらから「あの、紹介料の件なんですけど」と切り出すのもはばかられて。辞めさせられたら困るという気持ちもあって、結局何も言えないまま、何事もなかったかのように時間だけが過ぎていきました。
今思えば、これが店長の「口約束はいくらでも破っていい」という人となりを知る、最初のサインだったんだと思います。友達を巻き込んでしまった分、今も少し申し訳なさが残っています。
「もっと胸を突き出せ」と言われた撮影の日
今の職場でもそうなんですが、店長とかトップに立つ人って、なんでこう気持ち悪い人ばかりなんでしょうか。今ならそう思います。
当時の店長には、もっと悪質なところがありました。セクハラ発言が本当に多かったんです。
写真現像店では証明写真の撮影業務もあったので、カメラが趣味だった店長は、許可なく私を撮影することがありました。休憩中にレンズを向けられて、断る間もなくシャッターを切られたことも一度や二度ではありません。
一番気持ち悪かったのは、本格的に撮影したいと店長が言い出した日のことです。椅子に座らされて、「もっと胸を突き出せ」と言われました。
言われた通りにすると、店長は「ああ、突き出してもないかw」と笑いました。
私はその場では愛想笑いをするしかありませんでした。カウンターの奥という逃げ場のない空間で、二人きりだったことも、今思うと余計に気持ちが悪いです。でも本当は、こういうセクハラを今すぐなくしてほしいと思っています。
彼氏はいないのかと、何度も何度も
店長はいつも下ネタのようなことを考えているのか、私が何か聞き返しただけで、それを勝手に「下心」だと捉えてくることもありました。「そんな下品なこと言ってないよ」とこちらが返しても、聞く耳を持ちません。
それだけならまだしも、私の将来の結婚相手はこうあるべきだという持論を、何度も何度も聞かされました。「彼氏はいないの?」と、会うたびに聞かれる。
仕事の話をしに来たはずなのに、気づけばプライベートの詮索ばかりされている。そのたびに愛想笑いで返していましたが、正直、イライラが爆発しそうでした。
ぼけ老人のように、同じ話を繰り返す
このバイトで悪いところがあるのは、店長と一部の客だけでした。でも、その店長の悪質さは最上級だったと思います。
私が誘った友達の大学生も同じことを言っていたのですが、店長はまるでぼけ老人のように、同じ話を何度も繰り返すんです。
それも決まって、私たちの彼氏の有無や、将来あるべき男女の姿についての話。聞いていて本当に気持ちの悪いものでした。
さっき言っていたことをまた繰り返す。また同じ話をする。同じ話を何度も聞かされるたびに、笑顔を保つのがだんだんしんどくなっていきました。
辞めたはずなのに、時給を下げて呼び戻された
留学が決まって、私は一度このバイトを辞めました。
ところが、留学を終えて日本に戻ってからも、店長からメールが届きました。時給を下げるけれど、また働いてほしいというのです。
留学資金を貯める必要はもうなくなっていたので、無理して働く必要はありませんでした。でも、帰国してすぐは本当に暇で。結局、また働くことになりました。
店長はたまにしか店に来ないので、それ以外の待遇にはそこまで不満はなかったんです。でも今思えば、随分な仕打ちだったなと、まだ社会を知らなかった当時の自分に対して思います。
辞めた後に届いた、気持ち悪いメール
バイトを完全に辞めたあと、また店長からメールが届きました。
その内容がとても気持ち悪くて。「あの頃は僕にとって〇〇さんの時代だったなあ」などと書いてくるんです。
もう関わることもないと思っていた相手から、こんな形で当時の感情を打ち明けられて、画面を見つめたまま数秒固まってしまいました。明らかに変な感情を抱かれていたんだと分かって、でも誰にも相談できずにいました。
返信せずに無視していると、また同じようなメールが届きました。それも無視していたら、それ以来連絡は来ていません。
今はそのメールアドレス自体を使っていないので、もう二度と関わることはないと思います。それでも、ふとした瞬間にあの職場の空気を思い出すことがあります。
ここまでが、私が経験したブラックバイトの話です。
働いていれば嫌なことはあるものだと思ってはいます。でも、今の仕事も当時のバイトも、我慢すべきことなのか、声を上げるべきことなのか、正直今もよく分かりません。
黙認されていることは多いですし、声を上げようにも、当時はどこに訴えればいいのか、そもそも窓口というものを知りませんでした。悪を罰するというのは、なかなか難しいものですね。
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